イトマキヒトデ卵母細胞の核ならびに細胞表層の成荒におけるGTP結合蛋白質の役割
Project/Area Number |
01641511
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
星 元紀 東京工業大学, 理学部, 教授 (20012411)
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Project Period (FY) |
1989
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1989)
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Budget Amount *help |
¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
Fiscal Year 1989: ¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
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Keywords | イトマキヒトデ / 1-メトルアデニン / 卵成熟 / 表層成熟 / GTP結合タンパク質 / ADPリボシル化 / 百日ゼキ毒素 / 開口分泌 |
Research Abstract |
ヒトデの卵母細胞は、その周りの濾細胞から分泌された1-メチルアルデニン(1-MA)に、トランスメンブランコントロ-ル系を介して反応し、中断していた減数分裂を再開(卵成熟)するとともに、受精膜形成機構すなわち、精子融合に反応して表層粒の開口分泌を行ない完全な受精膜を形成する機構を完成する(表層成熟)。卵成熟の直接的なトリガ-は、MPFとよばれる細胞質因子であるが、主にイトマキヒトデを使い、1-MAからMPFの形成に至る情報伝達系に百日ゼキ毒素(PTX)感受性の39KDaGTP結合タンパク質が関与していることを前年度見出した。今年度は、このGTP結合タンパク質につきさらに研究を進めるとともに、卵成熟と表層成熟との関係につき研究し、次のような成果が得られた。 1.このGTP結合タンパク質は、卵内で確かにPTXの基質となり、ADPリボシル化される事を確認した。 2.卵表層よりこのGTP結合タンパク質を単離し、Gi型であることを見出した。これま、無脊椎動物における最初のGTP結合タンパク質の単離であり、今後GTP結合タンパク質の進化などを探る上で大きな意味を持つものと考えている。 3.これとは別に、表層粒の開口分秘にかかわるGTP結合タンパク質も在存することが示唆された。 4.受精膜は、精子融合→IP_3形成などによる細胞内Caの上昇→表層粒の開口分泌→表層粒内容物と卵黄膜との反応、という過程を経て形成されると考えられるが、表層成熟は、イ、ロいずれの段階についても見られることを明らかにした。
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Report
(1 results)
Research Products
(11 results)