CAMP依存性蛋白質リン酸化反応によるカルシウム情報伝達の制御機構
Project/Area Number |
01641514
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
田中 利男 三重大学, 医学部, 教授 (00135443)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中 充子 三重大学, 医学部, 助手 (10093139)
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Project Period (FY) |
1989
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1989)
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Budget Amount *help |
¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
Fiscal Year 1989: ¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
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Keywords | cAMP / cAMP依存性蛋白質リン酸化酵素 / カルモデュリン / カルポニン / カルシウム / Cキナ-ゼ / 平滑筋 |
Research Abstract |
cAMPはカルシウムイオンと共に重要な細胞内情報伝達物質であり、広範な細胞機能を調節している。細胞の刺激応答の発現においてcAMP系とカルシウム系は相互に作用しながら、精密な調節をしていると考えられている。しかしながら、これらの相互作用の分子機構については不明であるのが現状である。最近、平滑筋のミオシン軽鎖リン酸化酵素は、cAMP依存性にリン酸化されるとカルシウム-カルモデュリン複合体との親和性が減弱することや、心筋小胞体カルシウム輸送ATPaseの調節蛋白質であるホスホランバンはcAMP依存性蛋白質リン酸化酵素(Aキナ-ゼ)、カルモデュリン依存性蛋白質リン酸化酵素及び、プロテインキナ-ゼC(Cキナ-ゼ)によってリン酸化され、その結果小胞体へのカルシウム輸送が促進されることが報告されている。しかしながら、cAMP系とカルシウム系の相互作用を完全に理解するには至っていない。そこで申請者は、平滑筋及び非筋細胞からカルモデュリン結合蛋白質を調製し、これらの蛋白質のAクナ-ゼ及びCキナ-ゼによるリン酸化反応を検討したところ分子量3.5万のカルポニンがこの2つのキナ-ゼによりリン酸化されることが明らかとなった。カルポニンは、平滑筋や非筋細胞に多量に存在し、トロポミオシンやアクチンとも結合することが明らかにされている。そこで、平滑筋からカルポニンを精製し、2種類のキン-ゼによるリン酸化反応を詳細に検討したところ、Aキナ-ゼよりCキナ-ゼの方がよくリン酸化し少なくとも1モルpi/カルポニン1モルのリン酸化反応が認められた。さらにこれらのリン酸化反応はカルモデュリンによって抑制されてることが判明した。これらの結果は、細胞内のカルシウムイオンにより調節されている平滑筋や非筋細胞のアクトミオシン系がカルポニンを通じてCキナ-ゼによっても調節されていることが明らかになった。
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Report
(1 results)
Research Products
(7 results)