高温超伝導材料の特性・構造に及ぼす照射効果・歪効果
Project/Area Number |
01644004
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
吉田 博行 京都大学, 原子炉実験所, 助教授 (00027442)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小原 孝夫 姫路工業大学, 基礎研究所, 教授 (70107986)
片山 佐一 関西大学, 工学部, 教授 (90067398)
奥田 勉 広島大学, 理学部, 助教授 (20033847)
那須 三郎 大阪大学, 基礎工学部, 助手 (00030057)
下村 義治 広島大学, 工学部, 教授 (40033831)
|
Project Period (FY) |
1989
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 1989)
|
Budget Amount *help |
¥10,200,000 (Direct Cost: ¥10,200,000)
Fiscal Year 1989: ¥10,200,000 (Direct Cost: ¥10,200,000)
|
Keywords | 酸化物高温超伝導材 / 電子線照射 / 中性子照射 / イオン注入 / 超伝導遷移 / 磁気構造 / 欠陥構造 / 歪効果 |
Research Abstract |
高温超伝導材の構造は、ペロブスカイト型酸化物であり、その特性が酸素含有量により変化する。このことは、照射により点欠陥が導入されたり酸素位置が変化すると敏感に超伝導特性が変化することを意味している。実験の結果、次のような効果が起ることが認められた。(i)照射により導入される損傷欠陥によるピンニング効果のために、臨界電流が上昇する。(ii)照射による結晶の規則構造の不規則化のために、臨界温度が低下する。(iii)照射初期において酸素原子や原子空孔の密度や配置が変わるために超伝導遷移が変化する。例えば、半導体的特性から超伝導に変化する。これらの特性変化を系統的に明らかにし、構造変化との関係を解明し、超伝導発現機構の解明に役立てるために、各種の高温超伝導体について、各種の測定手法を駆使して実験を継続中である。 20K中性子照射でYBa_2Cu_3Oxで照射後遷移の大きな変化が認められたが、室温低照射量でBiーSrーCaーCuーO系では110K相よりも85相の変化が大きかった。La_2CuO_4では半導体より超伝導体的に特性変化が認められた。77K電子線照射によりBiの110K遷移が消失し、室温回復で再現した。照射カスケード損傷は観察されず、非晶質化が認められた。ガンマ線照射でもY系、Er系で遷移消失が起り、900℃空気中焼鈍でX線パターンも回復した。Fe添加Y系、La系の磁気的性質のメスバウアー効果測定では、酸素欠損による反強磁性転移が大きく変化することが判明した。La系のNQR測定で^<63>Cuの共鳴線が複数観測され、また著しい時間依存が酸素欠損の状態変化を示唆した。ガンマ線照射したLa系のNMR、NQR測定には超伝導特有の信号は観測されなかった。水素イオン注入したY系を酸素中焼鈍すると遷移がやや上昇した。77K、4.2Kで磁場(<15T)中引張による臨界電流測定装置を作製し、歪効果評価法を確立した。これらの実験の有機的展開を今後図っていく計画である。
|
Report
(1 results)
Research Products
(6 results)