帯溶融法による酸化物超伝導体薄膜の単結晶化とジョセフソン接合への応用
Project/Area Number |
01644504
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
奥山 克郎 山形大学, 工学部, 教授 (70007011)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大嶋 重利 山形大学, 工学部, 助教授 (40124557)
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Project Period (FY) |
1989
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1989)
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Budget Amount *help |
¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
Fiscal Year 1989: ¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
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Keywords | 酸化物高温超伝導薄膜 / 帯溶融法 / 超伝導薄膜の結晶化 |
Research Abstract |
本研究の目的は、基板上に成膜したアモルファスまた多結晶YBCOを、帯溶融法により単結晶化するプロセス技術を明かにし、ブリッジ型ジョセフソン接合へ応用することである。そのため、酸素雰囲気中で帯溶融の行える赤外線照射による帯溶融装置を試作した。2mmのスリットを通して試料薄膜に赤外線が照射され、800〜1000℃まで加熱可能であり、ステップモ-タ-により試料は0.3〜15mm/minの速度で移動できる。この装置を用いて、MgO基板にDCマグネトロンスパッタ法により形成したアモルファスおよび多結晶YBCO薄膜の帯溶融を試み、X線回折、SEM観察および抵抗-温度特性を測定した。 1.アモルファスYBCO膜を850、900950℃で帯溶融を行ったところ、処理温度が高い程C軸配向を示し、金属的抵抗-温度特性を示した。Tcオンセットは75K、Tcゼロは35Kであった。SEMによる表面と断面観察によれば、帯溶融処理後のYBCO膜は多結晶であった。 2.基板温度400℃でスパッタした多結晶YBCO膜を、同様に帯溶融処理を行なった。アモルファス膜を出発材料とした時に比べ、YBCOのC面からのX線回折強度が強くなり、再結晶化しやすいこと、帯溶融温度が900℃でも金属的な抵抗-温度変化を示すことが分かった。 3.帯溶融処理をしたYBCO膜を、酸素中900℃30分の酸素取り込み処理を行った。Tcオンセットの向上はみとめられたが、不純物相の成長も同時に起こることが分かった。 4.今後は、ストイキオメトリックな出発薄膜を形成し、帯溶融温度と試料移動速度の組合わせを工夫して、帯結晶化をめざしたい。また、MgOスパッタ膜の段差部を利用したジョセフソン素子を作成したい。
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Report
(1 results)
Research Products
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