酸化物系超伝導体のハロゲン修飾とフッ化物系化合物の探索
Project/Area Number |
01645508
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
高島 正之 福井大学, 工学部, 助手 (60115300)
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Project Period (FY) |
1989
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1989)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1989: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
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Keywords | 酸化物高温超伝導体 / ハロゲン修飾 / フッ素修飾 / 希土類フッ化酸化物 / マイスナ-効果 |
Research Abstract |
YBCO系酸化物のフッ素修飾効果を検討するためMF_2やLnF_3(M;アルカリ土類、Cu,Zn,Ln;希土類)をYBCO合成の際の出発物質として用いる固相反応と、各種酸素組成に予め調製されたYBCOのNH_5F_2(HF)およびF_2を用いた直接フッ素化反応について調べて来た。その結果、金属フッ化物を用いる固相反応では反応温度が900℃以上を要し、フッ素は安定なBaF_2としてすべて固定され、均一成生物は得られずかつ、超伝導特性も失われることが分かった。また、F-アニオンとして作用するHF系とYBCOとの反応では、低分圧のHFではYBCOの第二層のLabile酸素と選択的に置換反応し、斜方晶均一相を維持するものの、O-Cu-O networkを切断し、超伝導特性は消失することがわかった。フッ素はラジカル的にLabile酸素の欠損サイトを占め、高温相の分率増加が認められたが、Cuの平均価数の変化は無いこと、F_2-O_2混合ガス中での精密な処理によって、97Kの転移温度のものを得た。現在、反応速度と平衡組成および結晶構造の立場からYBCOの超伝導構造に及ぼすフッ素の寄与を詳細に検討中である。さらに、三フッ化塩素、ClF_3を用いる反応の準備を進めている。ClF_3は室温付近でもフッ素ラジカルを生成し、同時に塩素の寄与も考えられハロゲン修飾効果を検討する意味でも興味深い。また、これまでに固体電解質として合成してきたY_2NdF_3O_3やYEu_2F_3O_3などの希土類フッ化酸化物を出発物質に用いたYBCOF様化合物の合成も試みた。その結果、混合系ではあるが正方晶の(NdLn)(Ba-Nd)_2Cu_3O_xで示される。80K級の化合物を再現性良く合成できることを見い出している。反応成生物の特性評価は焼結などの熱覆歴を加えることなく評価することが望まれるが、5mg程度の試料でも室温成型するだけで77Kまでのマイスナ-効果を迅速かつ正確に測定できる装置(MEED)を独自に開発した。
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Report
(1 results)
Research Products
(3 results)