Project/Area Number |
01647510
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
平尾 一之 京都大学, 工学部, 助教授 (90127126)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中西 和樹 京都大学, 工学部, 助手 (00188989)
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Project Period (FY) |
1989
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1989)
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Budget Amount *help |
¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
Fiscal Year 1989: ¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
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Keywords | セラミックス / シュミレ-ション / 塑性変形 / クラック / 粒界 / 弾性体 / ガラス / 拡散 |
Research Abstract |
セラミックスの破壊強度は雰囲気の影響を大きく受ける。この効果はガラス相が粒界相に存在する場合、顕著であってガラス相の水分による応力腐食がクラック進展の主因であるとも、いわれている。このようなガラスの破壊挙動を調べるために、従来の弾性体モデルではなく、化学結合を考慮した原子や分子レベルからの破壊挙動のモデルをまず組み立てた。具体的には結晶化しやすいガラスとして高アルカリ含有のホウ酸塩やケイ酸塩ガラス、粒界にガラス相を多く含む窒化ケイ素、人工骨セラミックスであるアパタイトなどを選び、安定破壊をおこさせ、その塑性変形挙動を調べ、モデル化すると共にクラック先端での観察をTEMやコンピュ-タシミュレ-ションで行い破壊のメカニズムを原子レベルで調べた。コンピュ-タシミュレ-ションは分子動力学法を用いて行った。所定の組成のガラスを約千個ほどの原子を用いて基本セル内に作成し、2軸方向(xy表面)だけ境界条件をはずし自由表面にしたものをx軸とy軸方向から2軸圧縮応力や引っ張り応力をかけた。応力をかける温度は400℃と1500℃で応力にともなう原子の拡散や内部応力の変化を求めた。その結果を以下に示す。 (1)ガラスの温度を1500℃まで上げ、融液状態にしたあとX軸Y軸のスケ-ルを20%減少させることにより2軸圧縮応力をかけた。応力をかけた瞬間、内部応力は非常に高くなるが、Z軸方向の応力は4PSで、X軸方向の応力は15PSで原子の移動に伴い応力が緩和していくことがわかった。 (2)400℃では固体的な挙動を示した。応力印加後、5PSで内部応力が急激に減少し、塑性変形のような挙動がみられた。しかし、未だ内部応力が大きいにもかかわらず、Siや酸素の拡散は少なく、15PSからは殆ど移動はみられないことから考えてケイ酸塩ガラスは塑性変形しにくい。
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