Project/Area Number |
01648008
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Okazaki National Research Institutes |
Principal Investigator |
諸熊 奎治 岡崎国立共同研究機構, 分子科学研究所, 教授 (40111083)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
酒井 章吾 大阪産業大学, 助教授
古賀 伸明 岡崎国立共同研究機構, 分子科学研究所, 助手 (80186650)
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Project Period (FY) |
1989
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1989)
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Budget Amount *help |
¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 1989: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | 非経験的分子軌道法 / 超原子価 / アピコ親和性 / エカト親和性 / 還元的脱離 / ケイ素原子 / 挿入反応 |
Research Abstract |
今年度は、(1)超原子価化合物の構造、安定性、反応性やそれらを支配する因子の系統的理論研究及び(2)ケイ素原子のXーH結合への挿入の素反応過程についての理論的研究を、非経験的分子軌道法を用いて実施した。 (1)については次の諸点を明らかにした。(i)SH_n化合物においてd軌道の効果を調べたところ、超原子価のためにd軌道は不可欠ではないが、超原子価の大きいものではd軌道が重要な働きをしている。(ii)両三角錐型超原子価化合物におけるアピコ親和性をPH_3Fを例として調べた。Hはエカトリアル位を占めるのが有利であるが、Fはアピカル位とエカトリアル位の差は小さい。このことは、Fのアピコ親和性は、より正しくはHのエカト親和性と称されるべきものである。(iii)16属原子のXH_4,XH_3Fの反転障壁は、S→Se→Teと中心原子が重くなるほど大きくなる。これは電気陰性度の減少による共有結合性の増加に伴う結合ー孤立電子対反発の増大が原因であると考えられる。(iv)XH_6,XH_5F(X=S,Se,Te)からのH_2、HFの還元的脱離は非斉時的な遷移状態を通ることを見い出した。この構造は非常に双性イオン的である。(iv)チアチオフテン及び6aーチアー1、6ージアザペンタレンの構造は超原子価を持つ対象構造が安定であるが、これは環状構造の共鳴安定化によることを見い出した。(2)については、XーH結合を持つ分子(HF,HCI,H_2O,H_2S,NH_3,PH_3)の一重項と三重項ケイ素原子による挿入反応機構を検討した。反応過程における電子分布の変化を、局在化軌道を用いて解析したところ、一重項ケイ素原子の挿入反応の場合、小さなケイ素原子の電気陰性度によるXーH結合の分極に基づいて水素のカチオン移動とアニオン移動の反応に分類できることを示した。他方、三重項ケイ素原子による挿入反応では、同様に、XーH結合の分極により水素のカチオン移動とラジカル移動とに分類することができる。
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Report
(1 results)
Research Products
(10 results)