カルコゲン原子の機能を活かした分子錯体の設計とその物性研究
Project/Area Number |
01648517
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
大坪 徹夫 広島大学, 工学部, 助教授 (80029884)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
安蘇 芳雄 広島大学, 工学部, 助手 (60151065)
小倉 文夫 広島大学, 工学部, 教授 (90028150)
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Project Period (FY) |
1989
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1989)
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Budget Amount *help |
¥2,300,000 (Direct Cost: ¥2,300,000)
Fiscal Year 1989: ¥2,300,000 (Direct Cost: ¥2,300,000)
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Keywords | 有機電導物質 / 分子錯体 / 電子供与体 / 電子受容体 / ヘテロ原子 |
Research Abstract |
本研究では、新規の高電導性の電荷移動錯体の開発を目指して、周期律表第16族カルコゲン原子を含む種々の電子供与体および受容体の分子設計を行った。電子供与体の分野では、ペリ位カルコゲン架橋芳香族化合物、非対称4-カルコゲノピラン-1、3-ジカルコゲノ-ル誘導体、縮合チオフェン系芳香族化合物等新しいタイプの化合物の開発に成功した。これらの化合物は強い電子供与能を有し、その大きさが分子骨格およびその骨格中に含まれるヘテロ元素の種類に大きく依存していることが分かった。また、X線構造解析により、結晶構造中ではかなり強いカルコゲン原子の相互作用があることが分かった。一方、電子受容体の分野では、TCNQ骨格にヘテロ原子を組み込んだ化合物、いわゆる、ヘテロTCNQに着目し、それがオンサイトク-ロン反発の小さいポリ共役系を構築できることを明らかにした。また、強いヘテロ原子の相互作用を利用した錯形成が可能であることが分かった。それ故、極めて良好な電子受容体として働き、種々の電子供与体と高電導性分子錯体を形成することができる。最初のチオフェン型TCNQの研究の成功に引続き、他のヘテロTCNQの研究に取り組み、セレノフェン型TCNQおよびピリジン型TCNQの開発に成功した。また、カルコゲン原子と同族の酸素原子の相互作用が興味がもたれることにより、フラン型TCNQの合成を行った。これらの化合物はそのヘテロ原子の機能を利用して機能物質として役立つ可能性を有する。今後、本研究で得られた新規化合物の分子錯体の物性の研究を行う積もりである。そして、錯体の構造と機能性の解明より、更に、優れた電導物質の設計を行う予定である。
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Report
(1 results)
Research Products
(4 results)