非交互共役構造の特性を基盤とする有機機能物質の分子設計
Project/Area Number |
01648519
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
竹下 齊 九州大学, 機能物質科学研究所, 教授 (70004281)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加藤 修雄 九州大学, 機能物質科学研究所, 助手 (50150537)
初井 敏英 九州大学, 機能物質科学研究所, 助手 (30038591)
森 章 九州大学, 機能物質科学研究所, 助教授 (70038602)
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Project Period (FY) |
1989
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1989)
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Budget Amount *help |
¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
Fiscal Year 1989: ¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
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Keywords | トロポノイド液晶 / [1,9]シグマトロピ- / 温度可変固体^<13>CNMR / J-会合 / シクロヘプタキノキザリン / ソルバトクロミズム / 機能性色素 |
Research Abstract |
1.[1,9]シグマトロビ-を駆動力として発現する液晶化合物の合成。 5-アルコキシ-2-(4-アルコキシベンゾイル)トロポン誘導体を20数種合成し、その液晶能を解析した。その結果、5位のアルコキシ基の鎖長6〜12,2位のベンゾイルオキシ基のパラ位のアルコキシ基の鎖長6〜18において液晶相を発現することを確認した。一般に、鎖長が短いときにはネマティック相を、鎖長が長くなるとスメクティック相を呈する。又鎖長が短いときはモノトロピックに、長くなるとエナンチオトロピックになる。これら液晶相においてはトロポン環の1,2位の酸素原子の間をアシル基が熱的に転位し、その分子の配列に対する乱れの効果が液晶相発現を支配している。このことは数種の誘導体の温度可変固体^<13>CNMRの測定に於いて、液晶相の温度におけるシグナル幅の鈍化・消失から証明した。更に、[1,9]シグマトロビ-を起こし得ない2-ベンジルオキシ類緑体においては液晶を生成しないことで確認した。 2.J-会合性含トロポノイド色素化合物の合成。 1,2,4,5-テトラアミノベンゼンとp-トロポキノンから得られる2:1-縮合物はビス(シクロヘプタキノキザリン)ジオン構造を持つ。この棒状の五環性化合物は溶媒によって可視部の吸収極大値が大幅に変化し、酸性溶液中ではJ-会合体となることが見出された。幾つかの誘導体及び類緑体を合成した結果、分子中に少なくとも1個のトロポン環を持つこと、ピラジン環は2個必要であること、が判った。この色素誘導体はメロシアニン以外で見出された唯一のJ-会合性色素である。応用面で大きな可能性を秘めているが、従来の定説の範囲内では理解し難い点もあり、論議の的になっている現状である。一層、基礎的デ-タ蓄積が必要であり次年度以降の進展に挨つ点も多い。
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Report
(1 results)
Research Products
(6 results)