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¥2,300,000 (Direct Cost: ¥2,300,000)
Fiscal Year 1989: ¥2,300,000 (Direct Cost: ¥2,300,000)
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Research Abstract |
1.Lewis酸-Broensted塩基複合試剤を利用した炭素-酸素結合生成反応の開発 O-グリコシド類は自然界に多く見いだされる化合物であり、有機合成化学的には、1位を活性化された糖誘導体とアルコ-ルやフェノ-ル類の間の炭素-酸素結合生成反応で合成される。Lewis酸とBroensted塩基を組み合わせるO-アリ-ルグリコシル化反応について検討を行った結果、フッ化2,3,4,6-テトラ-O-アセチル-α-D-グルコシルとフェノ-ルとの反応が、BF_3OEt_2と1,1,3,3,-Tetramethylguanidineの系で速やかに進行し、収率よくβ-配置のO-アリ-ルグリコシドが得られることを見いだした。本法では、2,6-二置換フェノ-ルや、アントロンのような極めて立体障害の大きな基質もグリコシル化ができる。また、塩基を共存させないで反応を行ったところ、今度は、α-体を優先的に与えることが分かった。一般に、2位をエステル基で保護した糖誘導体のグリコシル化では、1,2-trans-体(グルコ-スではβ-体)を与えやすいとされている。従って、これは、α-体の極めて有用な合成手法である。 2.ポリケチド化合物の分子内多重アルド-ル反応の制御 我々は、数年来、ポリケチド(β-ポリカルボニル化合物)を用いる芳香族化合物の合成研究を行っている。既に、Ca(OAc)_2がポリケチドの芳香族化過程における優れた触媒であり、Ca^<2+>がLewis酸として、AcO^-がBroensted塩基として作用していることが分かっている。今回は、糖質部分を有するポリケチドを生成させることに初めて成功し、位置立体選択的にC-グリコシド化合物を合成できることを見いだした。これらは、生物活性天然物の有用な合成中間体になると期待される。
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