Budget Amount *help |
¥3,100,000 (Direct Cost: ¥3,100,000)
Fiscal Year 1989: ¥3,100,000 (Direct Cost: ¥3,100,000)
|
Research Abstract |
後天性免疫不全症(AIDS)ウイルスや成人T細胞白血病(ATL)ウイルス(HTLV-I)の抗原構造の相互の関連性を調べるために、AIDSの2型ウイルス(HIV-2,GH-1株)遺伝子由来の各種蛋白に対する抗体を作製した。 1.2種のgag抗原p26,p15に対する単クロン抗体、それぞれ20種と13種作製し、これらの抗体のHIV-1、各種猿AIDウイルス(SIV)、HTLV-Iとの反応性を検討した。この結果と、抗体競合試験の成績から、p26は少なくとも5種の、p15は8種の抗原決定基を持つことが判った。抗p26抗体の一部はHIV-1と交差反応したが、抗p15抗体はHIV-1とは反応しなかった。両抗体群の一部はSIVと交差反応した。しかし、いずれの抗体もHTLV-Iと反応しなかった。これら抗体を用いてHIV及びSIV群の血清学的同定が可能になった。また、細胞内抗原の消長を検索するのに有力な手段を提供している。 2.HIV-2外被を構成する抗原(env)の膜通過性蛋白gp32に対する単クロン抗体5種作製した。また、HIV-2増殖に中心的役割を果たしていると考えられるtatの遺伝子構造から推定した2種の合成ペチプドに対するウサギ抗体を作製した。これら抗体の特異性を検討中である。 3.蛍光抗体法で調べた限りでは、これまでに我々が作製した抗HTLV-I関連抗原に対する各種単クロン抗体(抗env-gp46,抗env-gp21,抗gag-p24,抗gag-p19,抗tax,抗TA34抗体)のいずれも、HIV-1およびHIV-2関連抗原と反応しなかった。 今後は、更に単クロン抗体の種類を充実させると共に、合成ペプチドを用いたエピト-プマッピングを行う。
|