HIV表面糖蛋白質gp120糖鎖の構造と機能に関する研究
Project/Area Number |
01653511
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Fujita Health University |
Principal Investigator |
水落 次男 藤田学園保健衛生大学, 医学部, 助教授 (90133149)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
浜子 二治 藤田学園衛生技術短期大学, 医学部, 助手
松井 太衛 藤田学園保健衛生大学, 医学部, 助手 (90183946)
|
Project Period (FY) |
1989
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 1989)
|
Budget Amount *help |
¥4,000,000 (Direct Cost: ¥4,000,000)
Fiscal Year 1989: ¥4,000,000 (Direct Cost: ¥4,000,000)
|
Keywords | エイズ / HIV / 糖鎖構造 / gp120 |
Research Abstract |
HTLV-IIIBで感染したヒトT-Lymphoblastoid cells(H9)より精製したgp120を150μg得て、これをヒドラジン分解にかけてgp120糖鎖を定量的に遊離後、NaB^3H_4で還元してgp120糖鎖をトリチウム標識オリゴ糖として得た。これを高圧濾紙電気泳動、E-PHAアガロ-スカラムやRCA-120 HPLCカラムを用いたレクチンアフィニティクロマトグラフィ、Bio-Gel P-4 HPLC等にかけてオリゴ糖の分離精製を行ない、5種の中性オリゴ糖画分(a-e)と酸性オリゴ糖由来の8種の脱シアル化中性オリゴ糖画分(f-j,k_1-k_3)を得た。そこで、これら13種のオリゴ糖画分をそれぞれ各種グリコシダ-ゼによる逐次分解分析等にかけてそれらの糖鎖構造を明らかにした。その結果、HTLV-IIIB感染ヒトT細胞(H9)由来gp120では高マンノ-ス型糖鎖が糖鎖全体の約60%を占め主要な糖鎖となっており、この他にも種々の複合型糖鎖、混成型糖鎖が認められ、感染細胞由来gp120が多様な糖鎖を有する特異な分子であることが判明した〔J.Biol.Chem.in press〕。さらに、本研究代表者らがすでに明らかにしているCD4分子に結合能を有するCHO細胞由来recombinant gp120の糖鎖〔Biochem.J.254.599-603(1988)〕とこれらの糖鎖を比較した結果、両gp120分子に共通して存在する糖鎖の構造を同定できた。つぎにgp120分子の主要な糖鎖である高マンノ-ス型糖鎖に着目して、最近開発に成功したネオグリコリピド技術〔J.Biol.Chem.264.13834-13839(1989)〕等を用いてヒト血清およびマクロファ-ジ由来のマンノ-ス結合蛋白質のこの糖鎖群に対する結合能を検討した。 その結果、ヒト血清およびマクロファ-ジのマンノ-ス結合蛋白質は両gp120に結合でき、しかもそれが両分子の糖鎖への結合によることが判明した〔AIDS,3,793-798(1989)〕。この事実はgp120の糖鎖を介した(CD4を介さない)HIV感染過程の存在を強く示唆した。
|
Report
(1 results)
Research Products
(8 results)