マウス発生初期に特異的機能をもつトランス転写調節因子群の研究
Project/Area Number |
01654505
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
濱田 博司 東京大学, 医学部(医), 助教授 (00208589)
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Project Period (FY) |
1989
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1989)
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Budget Amount *help |
¥2,700,000 (Direct Cost: ¥2,700,000)
Fiscal Year 1989: ¥2,700,000 (Direct Cost: ¥2,700,000)
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Keywords | 発生 / 初期発生 / 転写調節 / 転写調節因子 |
Research Abstract |
転写因子を検出するための材料としては、マウス胚性腫瘍細胞(とくにP19という細胞株)を用いた。胚性腫瘍細胞は一般的に発生の初期胚細胞に相当すると考えられ、P19細胞も高度の多分化能を持ち、おそらく授精後3。5日頃の内部細胞塊に類似する。このような細胞を用いて、われわれは、まず未分化胚細胞に特異的に存在する転写因子を検索した。前もってエンハンサ-・トラップ法にて単離した未分化胚細胞特異的エンハサ-を用い、その塩基配列に結合する蛋白因子を調べた結果、新しい転写因子Oct-3を検出した。以下に現在までに明かとなったOct-3の構造と機能についてまとめた。1)結合塩基配列の特異性:Oct-3は8塩基より成るオクタマ-配列(ATTTGCAT)及びATに富む塩基配列(TTAAAATTCA)を特異的に認識する。既知の二つのオクタマ-結合性転写因子(Oct-1,Oct-2)と同様の塩基特異性を示す。2)構造:Oct-3タンパク質に対応するcDNAを未分化P19細胞よりクロ-ニングし、その一次構造を決定した。Oct-1及びOct-2とおなじく、DNA結合部位にはホメオボックスを含む典型的なPOUドメインを持つが、一方残りの部分のアミノ酸配列は全く異なっていた。全長377のアミノ酸残基より成る。3)発現パタ-ン:Oct-3をコ-ドする1.5kbのmRNAは未分化P19細胞中には多量に存在するが、レチノイン酸(RA)により分化誘導後は消失する。一方マウスにおいては、授精後10日以降を調べた限りでは、いずれの組織にもその発現は認められなかった。4)転写因子としての機能:種々のトランスフェクシオンの実験結果より、Oct-3はDNA結合能のみならず、結合した遺伝子の転写を活性化する能力も持つ事が確認された。
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Report
(1 results)
Research Products
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