Project/Area Number |
01654509
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
岡本 浩二 京都大学, 理学部, 助教授 (10029944)
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Project Period (FY) |
1989
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1989)
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Budget Amount *help |
¥2,400,000 (Direct Cost: ¥2,400,000)
Fiscal Year 1989: ¥2,400,000 (Direct Cost: ¥2,400,000)
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Keywords | 細胞性粘菌 / 細胞分化 / 細胞間相互用 |
Research Abstract |
単純な発生系をもつ細胞性粘菌を用いて発生過程における細胞間相互作用の分子的機構を明らかにするために研究を行った。 (1)種々の発生段階にまで発生させた粘菌細胞を、細胞間の相互作用が働かないような極めて低い細胞密度で静置培養し、発生の進行に必要な要因を探索した。この方法により、われわれは必要とされる細胞間相互作用の種類に基いて、粘菌の発生過程を次の3つの段階に分画することに成功し、それらの性状を明らかにした。 Stage I:未知の細胞間相互作用が必要。cAMPは不要。 Stage II:細胞より分泌される物質が必要。cAMPは不要。 Stage III:細胞間相互作用は不要。cAMPのみ必要。 これにより細胞間相互作用の役割を、種類ごとに特定の段階に区切って理解することははじめて可能となった。また、従来分化が不可能とされていたある変異株も、このschemeに従って操作を行えば、不定胞子細胞への分化を起こさせることを示した。 (2)Stage IIにおいて特異的に発現が誘導される遺伝子をはじめて単離した。この遺伝子(DC6)は、i)時間的にStageIIで発現が著しく増加するのみならず、ii)発現が細胞密度に完全に依存し、低細胞密度では発現しない、iii)しかし低細胞密度において、conditioned medium(液体中で発生させた培養炉液)により発現が誘導される、という興味ある性質をもつ。 ゆえにDC6は細胞間相互作用の一要因である細胞分泌物質によって、いかにして遺伝子発現が調節されるかを研究する好材料となることが明らかとなった。
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