アフリカツメガエル胚の背腹軸形成デタ-ミナントの分離とその作用機作の解明
Project/Area Number |
01654514
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
山名 清隆 九州大学, 理学部, 教授 (20037162)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
塩川 光一郎 東京大学, 理学部, 教授 (20037295)
弓削 昌弘 九州大学, 教養部, 教務員 (80220523)
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Project Period (FY) |
1989
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1989)
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Budget Amount *help |
¥3,200,000 (Direct Cost: ¥3,200,000)
Fiscal Year 1989: ¥3,200,000 (Direct Cost: ¥3,200,000)
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Keywords | アフリカツメガエル / 背腹軸 / 細胞質 / デタ-ミナント / 重複胚 / 微量注射 |
Research Abstract |
アフリカツメガエル初期胚の、将来の背側に現われる細胞、すなわち背側細胞は、背側中軸構造を形成し、あるいはその形成を誘導する。その結果として、背側細胞は胚の背腹軸を決定し、胚全体の形態形成を可能にする。またこの背側細胞は、他の胚の腹側に移植されると、そこに二次中軸構造を形成して、宿主胚を重複胚に発生させる。 このような、背側細胞による背腹軸の決定や背側中軸構造の形成・誘導の機構は、発生生物学の中心課題であるにもかかわらず、まったく理解されていない。この機構を分子レベルで解析するためには、関与している物質を明らかにする必要がある。それを明らかにするために、次の実験をおこなった。 アフリカツメガエル16細胞胚の背側細胞から、ピペットを使って細胞質をとりだし、それを同じ時期の受容胚の腹側細胞へ注入した。受容胚(114個)の10%は途中で発生停止し、50%は正常胚に発生したが、40%は重複胚に発生した。すなわち本来の腹側にも完全な、あるいは不完全な中軸構造が形成されたのである。これらの二次中軸構造は、組織標本の観察によっても確認された。なお、対照実験において腹側細胞細胞質を注入された受容胚(66個)においては、重複胚は1例も認められなかった。 16細胞胚の腹側半胚に、背側細胞の細胞質を注入した。その結果、本来は中軸構造を形成しない腹側半胚が中軸構造を形成すること、あるいは中軸構造を形成する頻度がいちじるしく上昇することが観察された。 以上の結果は、背側細胞がもっている背腹軸を決定する能力や背側中軸構造を形成・誘導する能力が、その細胞の細胞質にになわれていることを示している。今後、その能力をになっている物質を明らかにする。
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Report
(1 results)
Research Products
(1 results)