色素上皮細胞としての分化形質の発現・維持にかかわる因子の探索
Project/Area Number |
01654517
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Okazaki National Research Institutes |
Principal Investigator |
児玉 隆治 岡崎国立共同研究機構, 基礎生物学研究所, 助手 (90161950)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
阿形 清和 岡崎国立共同研究機構, 基礎生物学研究所, 助手 (70167831)
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Project Period (FY) |
1989
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1989)
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Budget Amount *help |
¥3,200,000 (Direct Cost: ¥3,200,000)
Fiscal Year 1989: ¥3,200,000 (Direct Cost: ¥3,200,000)
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Keywords | 網膜色素上皮細胞 / 水晶体 / 分化転換 / 線維芽細胞増殖因子 / bFGF |
Research Abstract |
本研究は、色素上皮細胞の脱分化・分化転換のための必要因子および機構を明確にしていくことを目的として始められた。現在脱分化を引き起こすのに用いられている培養液は、多くの成分を含んでいる。特にヒアルロニダ-ゼ標品は、ロット間の結果の変動が問題となっていた。本研究の第一段階として、ヒアルロニダ-ゼ標品を種々の方法で精製し、真に分化転換の促進に必要な因子を明らかにすることをめざした。精製の指標として、まず第一にヒアルロニダ-ゼ活性を選び、充分に精製したヒアルロニダ-ゼ標品が脱分化および分化転換をひきおこすかどうかを調べた。SDSゲル電気泳動でほぼ単一バンドにまで精製したところ、酵素分画に分化転換活性は認められなかった。この結果はヒアルロン酸の分解が分化転換の促進に直接はむすびつかないことをしめしている。 最近、線維芽細胞増殖因子(FGF)などの細胞増殖因子が注目を集めている。いくつかの文献上の知識をもとに、FGFが我々の系でも分化因子として働くという予想をたて、精巣由来ヒアルロニダ-ゼのかわりに市販の塩基性FGF(bFGF)を添加したところ、色素上皮細胞の脱分化とその後の水晶体の形成が見られた。FGFには、ヘパリンに強く結合するという性質がある。精巣由来ヒアルロニダ-ゼ標品を、ヘパリンを固相化したカラムにかけ、ヘパリンに結合する分画をとったところ、この分画が色素上皮細胞の脱分化をひきおこすことが予備実験でしめされた。ヘパリンに結合しない分画にはこのような活性は認められなかった。以上の結果から、従来精巣由来ヒアルロニダ-ゼ標品にみとめられていた分化転換促進活性の大部分は、その中に共存していた精巣由来のFGFで説明できることが、ほぼ確かになった。 他の因子としてギャップ結合に注目し一部結果を公表した。
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Report
(1 results)
Research Products
(1 results)