Project/Area Number |
01657507
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
黒田 清子 大阪大学, 理学部, 助教授 (30028138)
|
Project Period (FY) |
1989
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 1989)
|
Budget Amount *help |
¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
Fiscal Year 1989: ¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
|
Keywords | イワヅタ / 原形質流動 / 微小菅 / ダイニン / 滑り運動 |
Research Abstract |
真核細胞のベン毛・せん毛運動をはじめ、神経軸索内の輸送や巨大アメ-バ-の糸状仮足内の流動など、多くの細胞運動に微小管-ダイニン系が関与することが知られている。しかし植物細胞内の原形質流動の原動力発生にはアクトミオシン系が働いていると考えられて来た。微小管の関与する植物細胞内での原形質流動は、本研究者らの報告したイワヅタ以外知られていない。本研究はイワヅタの原形質流動における微小管の滑りの分子機構を明らかにすることを目的とする。海産の緑藻イワヅタ(Caulerpa)の細胞の中では活発な多条型原形質流動(3μm/sec)がみられる。この流動はサイトカラシンBで全く阻害されないが、コルヒチンで完全に停止する。また、EHNAで濃度依存的に阻害を受ける。更に電子顕微鏡による観察からイワヅタの原形質流動の原動力の発生にチュ-ブリン-ダイニン系が関与することが強く示唆された。イワヅタからダイニンを抽出する試みは、本研究者らが数年来種々の方法を試みたが、植物細胞特有の強い蛋白質分解酵素に阻まれて、成功していない。今回は、イワヅタをTCA中で切開裂し、液胞中の蛋白質分解酵素を瞬時に不活性化して後、SDS-PAGEにかけると高分子領域に数本のペプチドを検出することができた。現在この高分子領域のバンドの抗ダイニン抗体によるブロッティングを試みている。また、100kd-200kdの間にも数本のバンドを検出することができた。これらの中に、ダイニン以外の、微小管依存性のトランスロ-ケ-タ-が存在するか否かをしらべることも早急の課題である。次に石崎らの方法を用いて、ダイニン様蛋白質の抽出、精製に是非とも成功したい。更にイワヅタのダイニンに対する抗体を作成し、抗体による流動の阻害を検討する。
|