骨格筋スキンドファイバ-における化学的・力学的反応のカップリングの調節機構
Project/Area Number |
01657510
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
国広 なごみ (呉林 なごみ) 順天堂大学, 医学部, 助手 (50133335)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小川 靖男 順天堂大学, 医学部, 教授 (50103841)
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Project Period (FY) |
1989
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1989)
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Budget Amount *help |
¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 1989: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | スキンファイバ- / エネルギ-転換機構 / カルシウム感受性 / ミオシンATPase / 等尺性張力 / 筋節長 |
Research Abstract |
骨格筋筋線維におけるエネルギ-転換機構を考える上で、ATPの分解が、張力発生の大きさや短縮速度とどのように対応しているかを知ることは重要なことである。そこで我々は、スキンドファイバ-を用いてその等尺性張力とATPaseとの同時測定を行ない、種々の条件において両者の比が常に一定なのか、変りうるのかという事を検討した。実験には、モルモットあるいはラット骨格筋速筋を用いた。ATPase活性は酵素カップリング法により、反応溶液中のATPの消費をNADHの蛍光の減少としてモニタ-し、同時にトランスデュ-サ-によって等尺性張力を測定した。まず、両者の関係を調べる前に標本中に含まれるミオシンATPase以外のATPase活性(特に筋小胞体(SR)のATPase活性)の寄与を除く必要がある。収縮系からトロポニンCを除き収縮系のATPase活性をゼロにした実験から、SR ATPase活性はCHAPS 1%処理より除去できることが確かめられた。また、CHAPS処理標本の最大ATPase活性(pCa 4.5)はミオシンヘッドあたりに換算して約2s^<-1>であった。Ca^<2+>濃度を変えて張力とATPase活性の同時測定を行い、両活性の最大値(pCa 4.5)を1としてプロットした。筋節長を2.5μmでは、pCa-ATPase活性曲線はpCa-張力曲線より低Ca^<2+>濃度側にあり両者は一致しなかった。筋節長を3.0μm位にのばすとpCa-張力曲線のCa^<2+>感受性は増したが、pCa-ATPase活性曲線の方はそれほど変化せず両曲線の差が不明瞭になった。また25mMカフェインは張力のCa^<2+>感受性を増しかつ最大張力は低下させる作用があるが、ATPase活性に対しても同様の作用を示した。これまでの結果では、Ca^<2+>飽和濃度における張力とその時のATPase活性は互いに対応して変化していたが、中程度のCa^<2+>濃度における両活性、即ち両者のCa^<2+>感受性については必ずしも平行しなかった。今後さらに様々な条件で、この点に関して検討を続けていきたい。
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Report
(1 results)
Research Products
(4 results)