Project/Area Number |
01657511
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Teikyo University |
Principal Investigator |
山田 武範 帝京大学, 医学部, 助教授 (50027330)
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Project Period (FY) |
1989
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1989)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1989: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
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Keywords | クロスブリッジ / アクトミオシン / すべり運動 / ATP分解 / 筋収縮 / ATPアナログ / レ-ザ-光分解 |
Research Abstract |
筋肉を構成するアクチンとミオシンフィラメントはATPの化学エネルギ-を利用しながら力を発生し相互に滑り運動菅する。本研究では、筋線維にATPaseに反応しない光感受性のcaged ATPをあらかじめ加えておいて、これをレ-ザ-光で照射し筋線維内に瞬時にATPを産生させるという方法を使って、アクトミオシンフィラメントの張力発生および滑リ運動がATP分解反応とどのようにカップリングしているかを分子レベルで検討した。 まず、Goldmanらによって報告されているウサギグリセリン処理筋線維に上記の方法を応用した実験を追試し、その結果を再現できた。そこで先ず、ムラサキイガイ平滑筋(ABRM)のサポニン処理筋線維にあらかじめcagedATPを添加しておき、これをレ-ザ-光で照射しATPを産生させた。ATPを筋線維の外から添加した時に比べて格段に速く張力が発生した。筋線維の張力発生およびstiffnessの変化は、ATPが結合するとクロスブリッジが一旦アクチンフィラメントから解離した後、再結合しながら力を発生している事を示した。また、ABRMでは骨格筋線維と対応した張力発生過程とともにこの筋肉に特徴的なcatch状態に移行する反応過程がある事示唆された。さらに次に,このcaged ATPをレ-ザ-光で照射する方法をウサギグリセリン処理筋線維に応用して、筋線維が張力を発生する過程および短縮する過程を調べた。ATPを筋線維の外から添加した場合にくらべて、張力発生や短縮がずっと早く起こった。この時、ATPが産生されてから張力の発生や短縮が始まるまでに時間的な遅れがあった。これは、ATPが結合してクロスフリッジがアクチンから一旦解離し、再び結合して張力発生、滑り運動を開始するまでの時間の遅れによる。また、産生されるATP量が増えると張力発生や短縮先度が速くなり、張力発生や短縮の遅れが短くなった。以上の結果を、アクトミオシンがin vitroでATPを分解する反応機構を参考にして解析した。
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