モノクローナル抗体をもちいたアルツハイマー脳沈着PHFの意味づけ
Project/Area Number |
01658001
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
新井 孝夫 筑波大学, 基礎医学系, 講師 (60107422)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤井 敏弘 信州大学, 繊維学部, 助教授 (50126702)
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Project Period (FY) |
1989
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1989)
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Budget Amount *help |
¥2,300,000 (Direct Cost: ¥2,300,000)
Fiscal Year 1989: ¥2,300,000 (Direct Cost: ¥2,300,000)
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Keywords | モノクローナル抗体 / アルツハイマー病 / PHF / 微小管タンパク質 / 神経突起 |
Research Abstract |
アルツハイマー脳に多量に沈着するPHFは、この脳中で異常に伸長した神経突起に由来するという考えが提出されている。微小管に結合するタンパク質(MAPs)はPHFの主要な構成成分であり、しかも新たに伸長した神経突起、分化した樹状突起、軸索間で異なっていることが知られている。そこで、各神経突起の微小管に特異的なモノクローナル抗体を作製し、各突起の機能分化における分化した微小管の役割とPHFの由来を解明することを試みた。 試験管内免疫法により、多くの抗PHF抗体を作製した。この中には、リン酸化MAP1B(MAP5)を認識する抗体も存在し、これによってMAP1BもPHF構成成分の1つであることが示された(井原康夫都老人研室長とも共同研究)。抗PHF抗体、抗α、βーチューブリン抗体、抗MAPs抗体をもちいてラット脳の出生後の発達に伴う変化を調べたところ、1ー10日まではレベルに大きな変化はなく、10ー14日の間でMAP1AとMAP2の増加、MAP1Bの減少が認められた。これらの変化は、ほぼ同時期に起こった。また、抗αーチューブリン抗体の1種が幼若脳と、抗α、抗βーチューブリン抗体の各1種が成熟脳とそれぞれ強く反応した。ポリ-Lーアスパラギン酸による解離からMAPsと微小管の結合の強さを推定するとMAP2、MAP1A、MAP1Bの順であった。 以上のことは、ラット脳の発達によって、微小管を構成するチューブリンとMAPsが変化すること、しかもこの変化の方向は微小管の動的性質が弱くなる方向であるとが示唆された。
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Report
(1 results)
Research Products
(7 results)