Project/Area Number |
01658007
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Tokyo Metropolitan Institute for Neuroscience |
Principal Investigator |
黒田 洋一郎 東京都神経科学総合研究所, 神経生化学, 副参事研究員 (30073084)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小倉 明彦 三菱化成生命科学研究所, 脳神経薬理, 主任研究員
工藤 佳久 三菱化成生命科学研究所, 脳神経薬理, 室長
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Project Period (FY) |
1989
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1989)
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Budget Amount *help |
¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
Fiscal Year 1989: ¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
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Keywords | アルツハイマ-病 / シナプス形成 / 細胞内カルシュウム / 記憶メカニズム / 記憶障害 / 記憶モデル / エクト・プロティン・キナ-ゼ |
Research Abstract |
記憶・学習現象の背後には、対応するニュ-ロン回路網中のシナプスに特異的に見られる変化があると古くから考えられている。この「シナプスの可塑性」には、(1)シナプス伝達で変わる比較的短期の持続時間をもつ変化と、(2)シナプス形成・維持が変化する長期にわたる変化の2つがあることは従来から言われてきたが、いくつかの理由から、ヒトの脳における陳述的記憶においては、(2)がことに重要であると推論した。すなわち閉回路を伴った記憶ニュ-ロン回路中でのインパルスの伝播のくりかえし(tracing)はその回路中のシナプスのみを頻発刺激することになり、これによってより良く使われたシナプスが他の入力からのシナプスを抑制、退化させ、この選択的に維持された記憶ニュ-ロン回路を構成するシナプスが発芽を起こし、回路中のシナプスのみを長期的・選択的に促通するという“tracing circuit"モデルをヒト脳での陳述的長期記憶のモデルとして提唱した(Kuroda,Y.,1989)。 このモデルでも示されたように、シナプス形成やその維持にかかわる分子メカニズムの研究は記憶研究、痴呆研究の双方に重要であると考えられるので、シナプス形成に関与する未知の機能分子の検索を継続した。前年度に確率された培養ラット中枢ニュ-ロンのシナプス形成系を用い、長期添加によりシナプス形成が阻害されるような機能阻害剤をスクリ-ニングした。培養中枢ニュ-ロン間のシナプス形成は、シナプスを介する電気的活動を細胞内カルシウム濃度変化の同期性として、蛍光ビデオモニタ-装置を用いて観察できる。
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