ボツリヌス毒素によるトランスミッタ-放出抑制機構の解明
Project/Area Number |
01659501
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
栗原 堅三 北海道大学, 薬学部, 教授 (00016114)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
柏柳 誠 北海道大学, 薬学部, 教務職員 (20169436)
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Project Period (FY) |
1989
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1989)
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Budget Amount *help |
¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 1989: ¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
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Keywords | ボツリヌス毒素 / トランスミッタ- / ノルエピネフリン / GTP結合蛋白質 / ADPリボシル化 / セロトニン / GABA / ジギトニン |
Research Abstract |
ラット胎児脳初代培養細胞に各種ボツヌス毒素を作用させ、ノルエピネフリン放出に対する効果を調べた。ボツリヌスA型、C1型は、ノルエピネフリンの放出を濃度依存的に抑制した。D型毒素もノルエピネフリンの放出を抑制したが、前2者の毒素に比べてその作用は比較的弱かった。またC1型毒素を用いて、各種トランスミッタ-放出に対する効果を調べた。この結果、ドパミン、セロトニン、GABAなどのトランスミッタ-は、ノルエピネフリンと同様にC1毒素によりその放出が抑制された。次にボツリヌス毒素が、細胞内にカルシウムイオンが流入する過程を抑制するのか、これ以後の過程を抑制するのかを調べた。細胞をジギトニンで処理し、細胞外液中のカルシウム濃度を変化させることにより、細胞内カルシウム濃度を変化させた。カルシウム濃度を高くすると、刺激無しにノルエピネフリンの放出が見られた。この状態で、C1毒素を作用させたところ濃度依存的にノルピネフリンの放出が抑制された。したがって、ポツリヌス毒素は細胞内へのカルシウム流入以降の過程に作用することが明らかになった。次に、ジギトニン処理した細胞にTPAを作用させたところ、細胞外のカルシウム濃度に非依存的にノルエピネフリンの放出を促進した。このカルシウム非依存的な放出も、ボツリヌス毒素により抑制された。先に我々は、ボツリヌス毒素が24Kおよび26KGTP蛋白質をADPリボシル化することを見いだしたが、26K蛋白質は神経系の細胞のみに見いだされた。各種のボツリヌス毒素を用いて、ADPリボシル化能とトランスミッタ-放出能を比較したが、両者は必ずしも良い相関はなかった。したがって、ADPリボシル化がトランスミッタ-放出にどの様な役割を有するかは、さらに検討されなければならない。
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Report
(1 results)
Research Products
(5 results)