Project/Area Number |
01659517
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Okazaki National Research Institutes |
Principal Investigator |
杉山 博之 岡崎国立共同研究機構, 生物学研究所, 助教授 (20124224)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中山 孝 岡崎国立共同研究機構, 生物学研究所, 助手 (90150060)
古家 喜四夫 岡崎国立共同研究機構, 生物学研究所, 助手 (40132740)
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Project Period (FY) |
1989
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1989)
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Budget Amount *help |
¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
Fiscal Year 1989: ¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
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Keywords | グルタミン酸受容体 / シナプス可塑性 / 長期増強 / Gタンパク質 / 海馬スライス |
Research Abstract |
本研究計画においては、脳の機能、特に記憶や学習といった高次の神経機能における本質的な要素の一つは神経伝達物質放出の調節であるとの立場に立って、その調節のメカニズムを追求することを目的とする。具体的には高次神経機能のモデルと考えられる長期増強現象に焦点をあて、伝達物質放出調節のメカニズム、特にそこに関与する伝達物質受容体の同定と機能様式を解明することによって長期増強のメカニズムを明らかにすることを到達目標とする。特に、我々が最近見いだした代謝調節型グルタミン酸受容体(Nature325,531-533,1987)が、伝達物質の放出を調節することによって長期増強のメカニズムに関与している可能性について、ラット脳の海馬スライス及び培養細胞系を用いて検討した結果、次の様な知見を得た。 1.この受容体の機能的、薬理学的性質を詳細に解析し、これが従来知られていた受容体とまったく異なったものであることを明らかにした(Neuron,3,129-132,1989)。 2.この受容体は実際の脳神経細胞においてもGタンパク質を介してカルシウム動員を引き起こすことで機能していると考えられることが分った(J.Physiol.,414,539-548,1989)。 3.海馬CA3野の錐体細胞に対して苔状線維が入力するシナプスにおいては、グルタミン酸が伝達物質として作用しているが、長期増強を媒介している受容体は、NMDA,non-NMDAいずれの受容体のアンタゴニストによって影響を受けないような性質のものであることが分かった(論文準備中)。 これらの結果は代謝調節型Glu受容体--→細胞内Ca2+濃度増大--→伝達物質放出調節、という反応過程が、CA3野の長期増強に関与している可能性を強く示唆していると考えられる。
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