Budget Amount *help |
¥10,200,000 (Direct Cost: ¥10,200,000)
Fiscal Year 1991: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 1990: ¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
Fiscal Year 1989: ¥8,000,000 (Direct Cost: ¥8,000,000)
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Research Abstract |
本研究の目的とするところは,哺乳動物由来のタヒキニン群神経ペプチドであるサブスタンスP(SP),ニュ-ロキニンA(NKA),ニュ-ロキニンB(NKB)に対する選択的拮抗ペプチドを開発することである。我々はこれまでこれら3種のペプチドの様々なアナロ-グを化学合成し,構造と活性の相関々係の検討を行ってきたが,その結果,SP選択性のNK-1レセプタ-のリガンドが,N端から5番目のアミノ酸がアミドを有するグルタミン,8番目が芳香族のフェニルアラニンであることを特徴とするのに対し,NKAならびにNKB選択性のリガンドは前者が遊離のカルボキシル基を有するアスパラギン酸で,後者は脂肪族のバリンであることを特徴とし,さらにNKAとNKBの違いはアスパラギン酸のC側が前者ではセリン,後者ではフェニルアラニンであることを明らかにした。これらの知見は,それぞれのペプチドに対する選択的アンタゴニストをデザイン創製する上できわめて示唆に富んだもであり,それら構造上の特異性を生かし,しかもこれまでの作られてきたアナロ-グを参考にして様々なペプチド誘導体の合成を行った。それらの中で,次のペプチド誘導体がわずかながら目的とする選択性を伴ったアンタゴニスト活性を有するものであった。 Analog A-1 His-Lys-Thr-Asp-Ser-D-Trp-Val-D-Trp-D-Trp-Met-NH_2 Analog A-2 His-Lys-Thr-Asp-Gln-D-Trp-Phe-D-Trp-D-Trp-Met-NH_2 Aanlog A-1はNKAとNKBに対して,またAnalog-2はSPに対して拮抗する傾向を示し,これらの誘導体を軸により選択性の高いアナロ-グを開発することに可能性が開けたたと考えている。5位をフェニルアラニンに置換したアナロ-グはNKB選択的であることが予想されたが,化学合成したこの誘導体はきわめて不溶性で薬理実験の供することが出来ず,さらに構造修飾を行う必要がある。
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