がん細胞における染色体の不安定化と再配列に関与する分子遺伝学的研究
Project/Area Number |
02151064
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Research Category |
Grant-in-Aid for Cancer Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | National Institute of Genetics |
Principal Investigator |
瀬野 捍二 国立遺伝学研究所, 分子遺伝研究系, 教授 (30076989)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小山 秀機 横浜市立大学, 木原生物学研究所, 教授 (40085626)
安藤 俊夫 愛知県がんセンター, 研究所生化学部, 部長 (20012693)
鮎沢 大 東京大学, 応用微生物研究所, 助教授 (00142109)
綿矢 有佑 岡山大学, 藥学部, 助教授 (90127598)
辻 秀雄 放射線医学総合研究所, 遺伝研究部, 主任研究官 (40163795)
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Project Period (FY) |
1990
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1990)
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Budget Amount *help |
¥15,000,000 (Direct Cost: ¥15,000,000)
Fiscal Year 1990: ¥15,000,000 (Direct Cost: ¥15,000,000)
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Keywords | 細胞周期 / 温度感受性変異株 / 染色体異常 / チミジル酸ストレス / ユビキチン活性化酵素 / トポイソメラ-ゼ / ヒストンH1キナ-ゼ / リン酸化 |
Research Abstract |
1.細胞周期G2期温度感受性変異株tsFT210はN末端から272番目のプロリンがセリンに変わったcdc2蛋白質をもつことを決定した。本変異cdc2キナ-ゼはM期に向かっての活性化が非許容温度(39.5℃)でみられず、本酵素の脱リン酸化もみられなかった。 2.温度感受性変異株tsTM13は39.5℃で培養するとM期で細胞分裂を停止し、強く凝縮した染色体は終期に入っても脱凝縮せず、分裂装置の脱構築も起こらなかった。H1ヒストンのリン酸化及びcdc2活性は高く維持されつづけた。事実、チロシン脱リン酸化酵素の阻害剤バナジン酸処理はM期停止を解除した。 3.DNA複製温度感受性変異株FS20を相補するヒトcDNAをクロ-ン化し、ユビキチン活性化酵素E1と決定した。染色体異常を高発する変異株tsTM3もE1の変異であった。E1遺伝子をヒトX染色体短腕上(Xp11.23)にマップした(放医研・高橋、堀との共同研究)。 4.チミジル酸ストレスによって誘導されるエンドヌクレア-ゼをFdUrd処理FM3A細胞から分離精製した。本活性は2価重金属イオンを要求しない新しいタイプのものであった。 5.相同組換えの開始反応である相同配列の認識と対合を担う鎖転移活性の精製をFM3A細胞よりすすめ、1)熱に不安定なMg^<2+>非依存性の活性と同依存性のものを分離した。2)後者は1.7kbにわたる鎖転移を行い方向は5'からであった。また、ミニサテライト配列に高い反応性を示した。 6.DNAトポイソメラ-ゼIの阻害剤カンプトテシンはヒト細胞においてcーfos,TNFーα遺伝子の発現を誘導することを見いだした。阻害剤実験の結果は蛋白質キナ-ゼCの関与を示唆した。すなわち、カンプトテシンによるDNAートポI共有結合体形成がPKCを含む複数のリン酸化酵素を活性化すると推測された。
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Report
(1 results)
Research Products
(6 results)