Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤沢 淳子 国立精神神経センター, 遺伝子工学部, 室長 (60209038)
服部 豊 国立がんセンター, 分子腫瘍部, 研究員 (20189575)
仙波 憲太郎 東京大学, 医科学研究所, 助手 (70206663)
畠山 昌則 大阪大学, 細胞工学センター, 助手 (40189551)
審良 静男 大阪大学, 細胞工学センター, 助手 (50192919)
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Budget Amount *help |
¥16,600,000 (Direct Cost: ¥16,600,000)
Fiscal Year 1990: ¥16,600,000 (Direct Cost: ¥16,600,000)
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Research Abstract |
私達は、がん細胞においてその発現制御様式が特異的に変化する遺伝子、がん細胞の増殖,分化を促進する遺伝子などに関して、その発現機構,作用機構の解析を行っている。 サイトカインGーCSF,ILー6,ILー2は、本来の標的細胞に作用するばかりでなく、ある種のがん細胞(白血病細胞)などにも作用する。私達はGーCSF,ILー2受容体cDNAを単離し、これらの受容体が他のサイトカイン(ILー3,ILー4,ILー5やGMーCSF)受容体とともに、新しい受容体superfamilyを形成していることを示した。これらの受容体群の細胞外領域には、約200アミノ酸残基から成るお互いに相似した部分が存在するが、細胞内領域は似ていず、キナ-ゼなどの酵素活性領域も存在しないことから、全く未知の機構で増殖,分化のシグナルが細胞へ伝達されると考えられる。特に、T細胞のがん化などによりその発現が増加することが判明した<lyn>___ーなどの<src>___ー family遺伝子との相互作用が注目される。一方、低分化型胃がんにおいて特異的に増幅している遺伝子Kー<sam>___ー,それと関連し、未分化胚細胞で発現しているNー<sam>___ー遺伝子の構造を解析したところ、これらは繊維芽細胞増殖因子(FGF)受容体と類似しており、ヘパリン結合性増殖因子に対する受容体群を形成していることが示された。 ある種のがん細胞は、本来、誘導的に発現されるGーCSF,ILー6などの遺伝子を構成的に発現する。私達は、GーCSF,ILー6,Pー450,cー<lyn>___ー,ミオシンlight chain,MHC,cー<myc>___ー遺伝子の発現調節に関与しているcisーelementsを同定するとともに、GーCSF,ILー6,Pー450,ミオシンlight chainなどにおいては、これらcisーelementに結合する転写因子のcDNAを単離した。これらは、ロイシン・ジッパ-構造をもちC/EBPー1群に属する遺伝子、Zn^<2+>フィンガ-構造をもちSpl群に属するものなどに分別され、単量体、あるいは二量体として作用すると考えられる。
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