細胞増殖の調節、癌細胞の形質保持における蛋白質ホスファタ-ゼの機能に関する研究
Project/Area Number |
02152005
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Cancer Research
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
田村 真理 弘前大学, 医学部, 助教授 (20124604)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中村 敏也 弘前大学, 医学部, 助手 (00155847)
安井 明 東北大学, 抗酸菌病研究所, 助手 (60191110)
|
Project Period (FY) |
1990
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 1990)
|
Budget Amount *help |
¥3,000,000 (Direct Cost: ¥3,000,000)
Fiscal Year 1990: ¥3,000,000 (Direct Cost: ¥3,000,000)
|
Keywords | 蛋白質ホスファタ-ゼ / 細胞分化 / メッセンジャ-RNA / 分子生物学 |
Research Abstract |
すでに我々は、細胞の主要な4種類の蛋白質セリン・スレオニンホスファタ-ゼ(1、2A、2Bおよび2C)のうち、タイプ2Aに属する2種類のホロ酵素とタイプ2Cを高度に精製し、その酵素学的性状を明らかにした。さらにタイプ2Cに関しては、その全長をコ-ドするcDNA(pSTll)の単離と、大腸菌での活性2C蛋白質の発現にも成功した。今回我々は、2Cの生理的機能を明らかにする為の手掛かりを得る目的で、pSTllのインサ-トをプロ-ブとして、ラットの諸臓器における2CmRNAのレベルを調べた。その結果、脳、肺、心、肝、脾、骨格筋、腎、精巣のいずれの臓器でも発現が観察され、2C遺伝子がハウスキ-ピング遺伝子であることが示唆されたが、それらの中でも特に、骨格筋において2CmRNAのレベルが高かった。次にこの高レベル発現が、成熟骨格筋のみで見られるのか、それとも、より未分化な筋芽細胞の段階でも観察されるのかを知る為に、培養細胞系を用いて、筋芽細胞から筋管細胞への分化の過程での2CmRNAのレベルの変動の有無を調べた。まず筋芽細胞(ITー45R92)と成熟骨格筋の2CmRNAのレベルを比較したところ、筋芽細胞でのレベルは成熟骨格筋よりもはるかに低く、そのレベルは脾や肺や培養線維芽細胞と同等であった。これに馬血清を加えて培養したところ、プレ-トの全面積の約20%を筋管細胞が占め、それに伴って骨格筋細胞の分化のマ-カ-であるαアクチンmRNAの増加が観察されたが、2CmRNAレベルは筋芽細胞と同等であった。以上の結果から2CmRNAのレベルは筋管細胞から筋線維への成熟過程で亢進する可能性が示唆された。
|
Report
(1 results)
Research Products
(6 results)