Project/Area Number |
02152007
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Research Category |
Grant-in-Aid for Cancer Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
金丸 龍之介 東北大学, 抗酸菌病研究所, 助手 (70152783)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石岡 千加史 東北大学, 抗酸菌病研究所・臨床癌化学療法部門, 医員
高橋 徹 東北大学, 抗酸菌病研究所・病理学部門, 教授 (10004590)
涌井 昭 東北大学, 抗酸菌病研究所・臨床癌化学療法部門, 教授 (20006076)
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Project Period (FY) |
1990
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1990)
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Budget Amount *help |
¥2,600,000 (Direct Cost: ¥2,600,000)
Fiscal Year 1990: ¥2,600,000 (Direct Cost: ¥2,600,000)
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Keywords | 癌抑制遺伝子 / p53遺伝子 / 大腸癌 |
Research Abstract |
本研究は大腸癌患者の腫瘍組織におけるp53癌抑制遺伝子の変異の頻度、構造変化を明らかにし、この変異が大腸癌の発生過程のどの段階で生じているか検討することを目的に行われた。試料は進行大腸癌切除凍結組織(原発巣11例、肝転移巣1例)、および内視鏡的ポリ-プ切除により得た大腸腺腫性ポリ-プ(2例、径1cm以下)の計14例で、これらの組織からDNAまたはRNA抽出後PCR法またはRTーPCR法によりp53遺伝子のエクソン4から9までの領域を増幅した。増幅したp53遺伝子の塩基配列はクロ-ニング後または直接dideoxy法にて決定した。p53遺伝子が存在する17p染色体のloss of heterozygosityはVNTRプロ-ブを用い、Southern blot hybridization法にて調べた。その結果、p53遺伝子の変異は進行大腸癌で67%(12例中8例)に認められた。この場合の変異はいずれもアミノ酸置換を伴なっていた。点突然変異の位置はp53遺伝子のエクソン5から8に分散していたが、90%はエクソン5と8に認められた。1例に点突然変異が3箇所認められた。17p染色体の欠失が認められた全例にp53遺伝子の点突然変異が認められた。以上の結果から大腸癌においてp53遺伝子の変異は高頻度に認められ、癌抑制遺伝子として癌細胞のclonal expansionに作用することが強く示唆された。一方,大腸腺腫は2例と少ないが、2例ともアミノ酸の置換を伴うp53遺伝子の点突然変異が認められた。この2例は大きさが直径1cm以下で、かつ病理組織学的にはfocal cancerを有しない腺腫であることから、p53遺伝子の変異は大腸癌の前癌病変と考えられる腺腫の段階で既に生じている可能性が示唆された。この点については、現在例数を増やしてさらに検討を加えている。
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