グルタチオン・トランスフェラ-ゼP遺伝子の肝癌特異的発現機構
Project/Area Number |
02152022
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Research Category |
Grant-in-Aid for Cancer Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
村松 正實 東京大学, 医学部(医), 教授 (10035454)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西村 哲治 東京大学, 医学部, 助手 (20156110)
今川 正良 東京大学, 医学部, 助手 (20136823)
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Project Period (FY) |
1990
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1990)
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Budget Amount *help |
¥7,000,000 (Direct Cost: ¥7,000,000)
Fiscal Year 1990: ¥7,000,000 (Direct Cost: ¥7,000,000)
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Keywords | グルタチオン・トランスフェラ-ゼ / エンハンサ- / サイレンサ- / 肝化学発癌 / 胎児性肝細胞 / TPA応答配列(TRE) / cーjun / トランス作用因子 |
Research Abstract |
本年度は1)GSTーP遺伝子の主たるエンハンサ-,GPEーIの構造と機能、2)GSTーP遺伝子に存在するサイレンサ-の構造と機能,および3)もう一つのエンハンサ-GPEIIの再検討、を推進した。 1)についてはcーjunが無いとされる胎児性幹細胞F9を用いても、cーjunが十分に存在するHeLa細胞においても2つのTPA応答配列(TRE)から成る特徴的な回文構造が必要であり、どちらの細胞でも単一のTREに比べて遥かに高い活性を持つことが証明された。GPEIに働くトランス作用因子がcーjunではないらしいこと,および肝発癌早期におけるGSTーPの上昇が、その頃起こるcーjunの上昇のみによるものでないことは、次の3点から推察される。 1)初代培養肝細胞へcーjunを発現させても、同時に入れたGSTーP遺伝子は活性化されない。2)cーjunがないとされるもう一つの細胞,C127線維芽細胞を用いてもGPEIは十分にエンハンサ-活性を示す。3)cーjunに拮抗すると考えられる△FosBを同時に入れてやってもGPEIのエンハンサ-活性は抑えられない。以上の理由から、GPEIに結合する新しいトランス作用因子の存在を推定しその同定精製を急いでいる。 2)についてはGSTーP遺伝子の上流ー100からー400の間に数ケ所のサイレンサ-様シスエレメントがあり、少くとも2種類以上のタンパク質が特異的に結合する事を見出した。その一つSFーAは高度に精製され、上記サイレンサ-領域以外にもTATAーboxと転写開始点の間にも結合することが明らかとなった。現在この因子のクロ-ニングを急いでいる。 3)に関しては、数種類の細胞に導入して調べたが、何れの場合もかなり低い活性しか得られず、GPEIIは特殊な場合のみ働くエンハンサ-なのかも知れない。なおこの他の領域には現在の所強力な制御領域は見つかっていない。1)および2)の諸点に関して更に研究を続けている。
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Report
(1 results)
Research Products
(6 results)