Project/Area Number |
02152070
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Research Category |
Grant-in-Aid for Cancer Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
祖父江 憲治 大阪大学, 医学部, 教授 (20112047)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 潤也 大阪大学, 医学部, 助手 (70217040)
乾 誠 大阪大学, 医学部, 助手 (70223237)
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Project Period (FY) |
1990
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1990)
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Budget Amount *help |
¥5,000,000 (Direct Cost: ¥5,000,000)
Fiscal Year 1990: ¥5,000,000 (Direct Cost: ¥5,000,000)
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Keywords | 動的接着構造 / 形質変換 / アクチン / ミオシン / カルデスモン / トロポミオシン |
Research Abstract |
癌細胞の正常組織への着床(接着)は、転移浸潤における重要な問題である。正常細胞を発癌プロモ-タ-や腫瘍ウィルスによって形質変換させると、ストレスファイバ-や接着斑が消失し、代わって動的接着構造が特徴的に認められ、この構造の運動性が転移浸潤に際して重要な役割を果たすと考えられる。本研究では、動的接着構造運動性の物質的基盤を明らかにすることを目的として、ラット、マウスの樹立線維芽細胞株及び腫瘍ウィルスを作用させて形質変換した悪性細胞株を用いて、収縮関連蛋白質の局在変化の形態学的検討及び形質変換に伴う分子種変化の解析を行った。免疫染色法による形態学的検討では、正常細胞のストレスファイバ-上にカルデスモン、トロポミオシン、ミオシンが周期性に配列していること、接着斑の基質接着部位にはアクチンのみが存在し、一定距離を隔ててカルデスモン、トロポミオシンが存在し、さらにわずかに離れてミオシンが存在することが確認された。これに対し悪性株細胞の動的接着部にはアクチンと共にカルデスモン、トロポミオシンが局在し、ミオシンは、細胞体側にリング状に集積していることが明かとなった。二次元電泳動法によるこれら蛋白質の発現分子種の変化の検討では、細胞株ごとの違いが著明で、形質転換に伴う一定の発現変化は認められなかった。以上の結果から、癌細胞の動的接着部には検討した4種の収縮蛋白質がすべて集積しており、動的接着部が高い運動性を有するという従来の知見に物質的裏付けを与えるとともに、同部の形成、消失にアクトミオシン系が主要な役割を果たしている可能性が示された。
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