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¥2,500,000 (Direct Cost: ¥2,500,000)
Fiscal Year 1990: ¥2,500,000 (Direct Cost: ¥2,500,000)
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Research Abstract |
[研究目的]細胞増殖誘導時に機能する細胞遺伝子群は、がん遺伝子の由来として,また,がん遺伝子産物の作用標的として,がん細胞を理解するうえでの焦点のひとつである。本研究は,この様な観点から,増殖誘導時に機能する遺伝子群の探索と,その機能解析を目的とする。[研究計画]増殖誘導時にのみ機能する細胞遺伝子群の探索のため,増殖誘導時のシグナル伝達系に関する温度感受性変異株を効率よく分離すること(計画1)、および,既に得られている変異株を解析すること(計画2)の2計画とした。[計画1の成果]各種エンハンサ-プロモ-タ-エレメントを含むヒトメタロチオネイン遺伝子の上流部分を,ヘルペスウィルスのチミジンキナ-ゼ構造遺伝子に接続したプラスミドを作成した。これをハムスタ-由来のBHK21細胞のチミジンキナ-ゼ欠損株に導入し,安定に導入遺伝子を保持した株BHKTK2を得た。これを増殖停止期に導入し,且つ血清によって増殖誘導する培養条件を確立した。また,ヘルペスチミジンキナ-ゼを発現した細胞を殺すために,ガンシクロビルの有効濃度を決定した。この細胞を用いて,非許容温度で増殖誘導を行ない,ガンシクロビル処理によって生き残った細胞中には、シグナル伝達系に関する温度感受性変異株が効率よく濃縮されていることが期待される。[計画2の成果]既に得られているラット由来の温度感受性変異株細胞の解析を継続した。本細胞は,増殖誘導初期の2〜3時間に働らく遺伝子機能の変異株で,この様な表現形をもつ変異株は動物細胞では初めてのものである。本細胞の変異は、血清,EGF,PDGF,TPA等によるシグナル伝達経路のなかで,PKCを介する経路と介しない経路の共通の下流にあり,fosやmycの発現に影響を与えず,新たに発見されたp70タンパク質の発現を支配しており、TREエレメント以外のエンハンサ-を支配していることが解った。
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