アストログリアの腫瘍性増殖発現とグリア細胞成長因子遺伝子の活性化機構
Project/Area Number |
02152099
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Research Category |
Grant-in-Aid for Cancer Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
加藤 泰治 名古屋市立大学, 医学部, 教授 (60094364)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
浅井 清文 名古屋市立大学, 医学部, 助手 (70212462)
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Project Period (FY) |
1990
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1990)
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Budget Amount *help |
¥3,300,000 (Direct Cost: ¥3,300,000)
Fiscal Year 1990: ¥3,300,000 (Direct Cost: ¥3,300,000)
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Keywords | アストロサイト / グリア細胞成長因子 / 遺伝子発現 / グリオ-マ / アストロサイト-マ / グリオブラスト-マ |
Research Abstract |
グリア細胞成長因子(GMF)の発現細胞の検索は、これまでおもにラット由来のグリア性細胞(アストロサイトやその腫瘍性細胞)を中心に行われてきた。今年度になり、ヒトの脳腫瘍から5種類のアストロサイト-マおよびグリオブラスト-マを樹立することができた。これらの細胞はいずれも強いGMF産生能を有することが分かった。現在、これらの細胞の増殖能とGMF発現量との関係を、GMFcDNAプロ-ブを用いたmRNAレベル量の変化をもとに検討している。 昨年8月、われわれがウシ由来GMFのcDNAクロ-ニングに成功した時点で、アイオア大学のLimらはGMFの一次構造を発表した。この成果は、われわれの研究が遅れをとったという反省もあるが、反面、長年に渡って研究してきたこのGMFが、既知の成長因子とは全く異なる物質で、グリアのオ-トクリン増殖機構を担っている成長因子であるというわれわれの仮説を証明してくれたことに多大なよろこびを感じている。今後は、われわれが得たプロ-ブを用いてヒトグリオ-マの増殖に関わるGMFの発現調節機構を正常のアストロサイトのそれと比較してゆきたい。また最近、GMFの研究を進める過程で、GMFの細胞増殖促進作用を特異的に阻害するタンパク質性因子(GGIF)をグリア性細胞が産生していることを見いだした。この因子は腫瘍性グリア(アストロサイト-マ、グリオブラスト-マ)の細胞増殖を著明に抑制する新しいサイトカインであることも分かった。この相反する作用をもつGMFとGGIFは、ともにグリアで産生され、さらにグリア自身に作用するオ-トクリンタイプの調節機能を持つ因子である。今後はグリアの腫瘍性増殖発現と、この2つの因子のmRNAおよびタンパク質レベルでの発現との関係を上述した細胞を用いて検討する予定である。
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Report
(1 results)
Research Products
(5 results)