Project/Area Number |
02152100
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Research Category |
Grant-in-Aid for Cancer Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
岡田 秀親 名古屋市立大学, 医学部, 教授 (30160683)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
CAMPBELL Wil 名古屋市立大学, 医学部, 助手 (00203422)
東 隆親 名古屋市立大学, 医学部, 助教授 (00028234)
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Project Period (FY) |
1990
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1990)
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Budget Amount *help |
¥3,500,000 (Direct Cost: ¥3,500,000)
Fiscal Year 1990: ¥3,500,000 (Direct Cost: ¥3,500,000)
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Keywords | 補体 / 腫瘍細胞 / DAF / モノクロ-ナル抗体 / C3 / 免疫誘導 |
Research Abstract |
腫瘍細胞膜上には、自己補体の反応を抑制する種特異的補体制御膜糖蛋白が存在しており、自己補体の反応を防ぐ仕組みになっている。一方細胞膜上の補体制御膜糖蛋白の機序を抑制するモノクロ-ナル抗体の探索を行い、ラットのDAFに対するモノクロ-ナル抗体を得た。マウスのDAFに対する抗体は、精製したマウスDAFをウサギに免疫して抗血清を得た。 これらのDAFに対する抗体でラットやマウスの腫瘍細胞を処理すると同種血清の補体とも反応するようになり、C_3の沈着が認められるようになった。 ラットの腫瘍細胞をDAFに対するモノクロ-ナル抗体を用いて蛍光染色し、フロ-サイトメトリ-によりDAF陽性とDAF陰性細胞にソ-ティングし、これらの細胞を同系ラットに移植した。その結果、DAF陽性の腫瘍細胞はDAF陰性のものに比して腫瘍増殖性が強かった。このことから、DAFは腫瘍細胞を補体反応から守って腫瘍の増殖を助けていると考えられた。 そこで、ラット腫瘍細胞をDAFに対するモノクロ-ナル抗体で処理してから同系ラットに接種してみたところ、腫瘍は生着がむずかしくなり多くのラットで腫瘍拒絶がみられた。このラットに、抗DAF抗体未処理の腫瘍を接種してみたところ、腫瘍に対する免疫が誘導されており、生着しなくなっていた。このことは、抗DAF抗体で腫瘍細胞を処理すると腫瘍細胞に対する自己補体の反応が許されるようになり、その結果、抗腫瘍免疫が効率よく誘導されるようになったという解釈ができると考えられた。 更に実験条件を詳細に検討し、ヒト腫瘍細胞を抗DAF抗体で処理してワクチンに用いる道を拓いてゆきたいと考えている。
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