腫瘍の進展に伴う高カルシウム血症発現機序に於ける造血刺激因子の役割
Project/Area Number |
02152110
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Research Category |
Grant-in-Aid for Cancer Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
玉置 憲一 東海大学, 医学部・病理学教室, 教授 (50055860)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山崎 等 東海大学, 医学部・病理学教室, 助手 (20191273)
中村 雅登 東海大学, 医学部・病理学教室, 助手 (00164335)
島村 和男 東海大学, 医学部・病理学教室, 講師 (00119679)
上山 義人 東海大学, 医学部・病理学教室, 助教授 (30072408)
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Project Period (FY) |
1990
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1990)
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Budget Amount *help |
¥3,700,000 (Direct Cost: ¥3,700,000)
Fiscal Year 1990: ¥3,700,000 (Direct Cost: ¥3,700,000)
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Keywords | 高カルシウム血症 / 造血刺激因子 / サイトカイン / コロニ-刺激因子 |
Research Abstract |
白血球増多症と高カルシウムCa血症がしばしば末期腫瘍患者に認められ、両者が同一の患者に合併しやすいことが知られている。本研究では腫瘍の進展、白血球増多症、高Ca血症の三者の関係をヒト腫瘍無胸腺動物移植系を用いて検討し、ヒト腫瘍株170株のうち宿主に白血球増加を惹起するもの19株、高Ca血症を惹起するもの27株、両者を合併するもの8株を、担癌動物の血液ならびに血清化学的スクリ-ニングによって見いだした。宿主反応の原因を明らかにするため腫瘍組織中のサイトカイン遺伝子発現を調べたところ、白血球増多症を伴う19株中12株にヒト顆粒球系コロニ-刺激因子(Granulocyte ColonyーStimulating Factor:GーCSF) 遺伝子発現を認め、腫瘍患者に認められる白血球増多のうち一部は腫瘍の産生するGーCSFによるものであることが示唆された。GーCSF以外にもMーCSF遺伝子発現が19株中7株、ILー1遺伝子発現が12株に認められ、GーCSF以外の因子も白血球増加に関与している可能性が考えられた。担癌宿主動物に高Ca血症を惹起するヒト腫瘍27株のうちサイトカイン産生の認められなかった15株については副甲状腺ホルモン関連蛋白(PTHRP)の遺伝子発現をPCR法によって調べたが、一部の株で発現を認めたのみで、PTHRP以外の高Ca血症惹起因子の存在の可能性が示唆された。GーCSF産生腫瘍はいずれも末分化で、一定の組織学的特徴を示した。腫瘍の進展や形質転換と白血球増加、高Ca血症との関係を分析する材料として、現在、ヒト甲状腺分化癌の重症免疫不全(Severe Combined Immune Deficiency:SCID)マウスへの移植株化を試みている。また、甲状腺癌手術材料について造血刺激因子、PTHRP産生を調べ、血清生化学検査結果と対比検討し臨床レベルでの高カルシウム血症発現機序を検討している。
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Report
(1 results)
Research Products
(3 results)