Project/Area Number |
02152115
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Research Category |
Grant-in-Aid for Cancer Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Fujita Health University |
Principal Investigator |
関口 清俊 藤田学園保健衛生大学, 医学部, 助教授 (50187845)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
坂元 亨宇 国立がんセンター研究所, 病理部, 研究員 (40221270)
前田 利長 藤田保健衛生大学, 医学部, 研究員
小山 文隆 藤田保健衛生大学, 医学部, 助手 (40194641)
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Project Period (FY) |
1990
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1990)
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Budget Amount *help |
¥2,500,000 (Direct Cost: ¥2,500,000)
Fiscal Year 1990: ¥2,500,000 (Direct Cost: ¥2,500,000)
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Keywords | RNAスプライシング / フィブロネクチン / テネイシン / 癌胎児性変化 / 肝細胞癌 / 免疫組織化学 |
Research Abstract |
1.フィブロネクチンmRNAで認められた可変的スプライシング(alternative splicing)の癌組織における脱制御が、可変的スプライシングを受ける他の遺伝子においても認めらる現象かどうかを、腫瘍の間質で発現が顕著に増加するテネイシンの場合について検討した。方法は、テネイシンmRNA上の1.9kbの可変領域を部分的にカバ-する1本鎖cDNAをプロ-ブとするヌクレア-ゼプロテクション法を用いた。その結果、1.9kbの可変領域を含むバリアント1mRNAの発現率は、正常線維芽細胞に比べ、ウイルスによる形質転換細胞で顕著に増加していること、また、ヒト胎児肺では成人肺に比べてバリアント1mRNAの発現率が同様に増加していること、が判明した。次に、組織型の異なる種々のヒト肺癌組織について、バリアント1mRNAの発現率をその周囲の正常組織と比較した。大細胞癌、小細胞癌ではバリアント1mRNAの有意な増加が観察されたが、腺癌、扁平上皮癌では増加が認められる症例の他に、変化がない症例やかえって減少する症例も見つかり、単純な相関関係は見いだせなかった。また、腺癌、扁平上皮癌の場合、分化度とバリアント1mRNAの発現率の間にも有意な相関性は認められなかった。 2.フィブロネクチン分子上の2つの可変領域、EDーA,EDーB、のヒト肝癌組織における発現を、各可変領域に特異的な単クロ-ン抗体を用いて、組織化学的に検索した。非癌肝組織では、これらの抗体との反応性がほとんど認められなかったが、肝癌組織では、陽性の反応を示す症例が多数観察された。これらの抗体との反応性を+++(80%以上で陽性)、++(20〜80%で陽性)、+(5〜20%で陽性)、ー(0〜5%で陽性)に分けて評価したところ、抗EDーA抗体との反応性が+++である症例の割合は、高分化肝細胞癌で27%、中分化肝細胞癌で64%、低分化肝細胞癌で80%であり、分化度と抗EDーA抗体との反応性の間に高い相関性が認められた。抗EDーB抗体の反応性に関しても同様の結果がえられた。
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