MYC遺伝子産物の細胞増殖促進作用を仲介する熱ショック蛋白質の役割
Project/Area Number |
02152120
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Research Category |
Grant-in-Aid for Cancer Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | University of Occupational and Environmental Health, Japan |
Principal Investigator |
東 監 産業医科大学, 医学部・生化学, 教授 (30028386)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
唐崎 裕治 産業医科大学, 医学部・生化学, 助手 (20140907)
平野 英保 産業医科大学, 医学部・生化学, 講師 (50040241)
後藤 貞夫 産業医科大学, 医学部・生化学, 助教授 (50131917)
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Project Period (FY) |
1990
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1990)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1990: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
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Keywords | Nーmyc / Cーmyc / 熱ショック蛋白質 / ヌクレオリン / 細胞増殖 / 核小体 |
Research Abstract |
研究課題:MYC遺伝子産物の細胞増殖促進作用を仲介する熱ショック蛋白質の役割 成果:Nーmycの増幅のみられる小児神経芽細胞腫の症例では、その予後は極めて悪いことが知られている。 我々は70数例の神経芽細胞腫のDNAを解析した結果、37%の症例でNーmycの増幅がみられた。他の症例ではNーmycの増幅がなく、神経芽細胞腫の発癌開始には他の機構が働きNーmycの増幅はむしろTumor progressionに関与している可能性が高い。Nーmyc遺伝子産物の機能を知る目的で、我々は、培養神経芽細胞腫GOTO細胞を用いて、レチノイン酸とサイクリックAMPを併用し、分化誘導する系を確立した。 Nーmyc遺伝子の発現の低下と神経突起の伸長及び網目構造の形成に伴い、熱ショック蛋白質(hsp70)と、ヌクレオリンが著明に減少した。この両蛋白質は核小体機能に深い関連性を有しているのでNーmyc産物は,核内での作用の一つとして、リボソ-ム生合成を促進することにより、悪性増殖を支えている可能性が示唆された。次に、ラット肝部分切除後の肝再生期におけるCーmycの発現に伴って起こる変化をみた。Cーmycは、術後、Cーfosにつづいて、2時間目位にピ-クを示し、以後急激に減少するが、前記のhsp70とヌクレオリンは共に術後、6時間でピ-クを示し、以後減少した。リボソ-ムRNAの核小体における生合成は再生肝の18時間目位がピ-クであり、DNA合成は24時間目位に、ピ-クを示す。ラット肝の核における核小体の形態も6時間目位には、変化の途中にあり、再編成されて一つの大きな核小体になることが多い。このリボソ-ム遺伝子を含んだ核小体クロマチンの再編成に熱ショックの後と同じようにhsp70とヌクレオリンが関与している可能性が高い。G1期に、この両者が活性化されることは初代培養肝細胞でも確認した。
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Report
(1 results)
Research Products
(3 results)