Pー450遺伝子多型と発現の解析に基づくヒト発癌の遺伝的高危険度群の同定
Project/Area Number |
02152128
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Research Category |
Grant-in-Aid for Cancer Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Research Institute for Clinical Oncology, Saitama Cancer Center |
Principal Investigator |
川尻 要 埼玉県立がんセンター, 研究所生化学部, 主任研究員 (50142112)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
今井 一枝 埼玉県立がんセンター, 研究所疫学部, 研究員
中地 敬 埼玉県立がんセンター, 研究所疫学部, 主任研究員 (00142117)
渡辺 潤子 埼玉県がんセンター, 研究所生化学部, 研究員 (60167137)
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Project Period (FY) |
1990
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1990)
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Budget Amount *help |
¥2,500,000 (Direct Cost: ¥2,500,000)
Fiscal Year 1990: ¥2,500,000 (Direct Cost: ¥2,500,000)
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Keywords | ベンズピレン / 肺癌 / 喫煙 / Pー450IA1 / RFLP / コホ-ト解析 / PCR / 遺伝子解析 |
Research Abstract |
1.P450IA1のMspI多型と肺癌発生 P450IA1はベンズピレンを活性化するが、ヒトのこの遺伝子には3'ーflanking regionにMspI多型がある。MspIサイトをホモにもつ遺伝子型(C型)の人は一般健常者集団では約10%(40/375)存在するが肺癌、特に喫煙との因果関係が強いKreybergI型の患者では約25%(24/91)見い出された。オッズ比より、C型の人は他の遺伝子型(A型〓MspIサイトのないホモ;B型〓ヘテロ)の人々に比べて3倍、肺癌への危険度が高いことが明らかになった。一方、KreybergII型や他の癌での遺伝子型分布は健常者集団と同じであった。 2.生涯喫煙量との関係 喫煙との因果関係が最も強い扁平上皮癌の患者について生涯喫煙本数と遺伝子型との関連をみると、肺癌への相対的な危険が高い遺伝子型(C型)をもつ患者の平均は32万本で他の遺伝子型の平均値42万本より25%も少ない量で発癌していた。又、患者と同じ性別と年齢の健常者集団の遺伝子型の頻度と生涯喫煙本数(平均23万本)の双方でみた分布を調査して、患者の分布と比較することによって、30万本以下の喫煙量でこの遺伝的感受性の高い人々は他の人々に比べて、約7倍も肺扁平上皮癌になりやすいことが明らかになった。 3.遺伝子構造の比較 A型、C型の人の遺伝子構造をPCR direct sequencingで比較した。その結果、P450IA1遺伝子の第7エクソンにさらに点変異があることがわかった。Ile(462)→Val(462)のアミノ酸置換が生じていることが明らかになった。PCRを用いてこの変異の同定の簡便法を開発し、3'ーMspI多型とのリンケ-ジを解析したところ、両者の間では非常に強い相関があることが明らかとなった。
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Report
(1 results)
Research Products
(4 results)