非遺伝性腫瘍における染色体欠失及びがん抑制遺伝子異常に関する研究
Project/Area Number |
02152131
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Research Category |
Grant-in-Aid for Cancer Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | National Cancer Center Research Institute and Research Center for Innovative Oncology, National Cancer Center Hospital East |
Principal Investigator |
横田 淳 国立がんセンター研究所, がん転移研究室, 室長 (10191503)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
秋山 徹 大阪大学微生物病研究所, 発癌遺伝子部門, 助教授 (70150745)
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Project Period (FY) |
1990
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1990)
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Budget Amount *help |
¥4,400,000 (Direct Cost: ¥4,400,000)
Fiscal Year 1990: ¥4,400,000 (Direct Cost: ¥4,400,000)
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Keywords | 染色体欠失 / がん抑制遺伝子 / 第3染色体 |
Research Abstract |
非遺伝性腫瘍の発生、進展におけるがん抑制遺伝子不活化の意義を明らかにすることを目的として、RFLP分析、p53遺伝子の解析、第3染色体の解析を行ない、以下のような結果を得た。(1)RFLP分析で子宮体がん、卵巣がんでは第17染色体短腕が高頻度に欠失していることを見い出した。また、非小細胞肺がん脳転移巣では肺小細胞がんと同様に第3.13.17染色体が80%以上の症例で欠失していることを明らかにした。(2)第17染色体短腕に高頻度の欠失を認めた肺がん、大腸がん、卵巣がん、子宮体がんについて、PCRーSSCP法を用いてp53遺伝子異常に関する検討を行なった。その結果、肺小細胞がんの約80%、その他のがんの10〜40%に変異が検出された。特に肺小細胞がんでは、p53異常が転移巣や培養細胞に見い出されたときには必ず原発腫瘍にも見い出され、がん進展の比較的早期に起こる変化であることが示唆された。(3)第3染色体短腕のがん抑制遺伝子単離を目的として、ヒト第3染色体を含むマウスA9細胞DNAを用いてInterーAluプラスミドライブラリ-及びNotIコスミドライブラリ-を作成し、300のプラスミドクロ-ンと150のコスミドクロ-ンを解析中である。また、遺伝子マッピング、ライブラリ-の材料として有用なRadiationーHybrid細胞のクロ-ンを約100種類作成した。現在これらの細胞DNAのパネルを用いて第3染色体短腕の遺伝子地図を作成中である。今年度のがん抑制遺伝子研究で特記すべき成果はp53遺伝子異常が極めて多くのヒトがんに存在することが明らかになったことである。今後も新しいがん抑制遺伝子が単離、同定され、その異常について解析が進めば、ヒトがんの病態が遺伝子レベルでかなり把握できるようになると思われる。我々は特に、それぞれのがん抑制遺伝子異常とがんの病態との関連性を明らかにすることを目的として、今後も研究を発展させて行きたいと考えている。
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Report
(1 results)
Research Products
(6 results)