肺癌培養細胞を用いた抗癌剤感受性,耐性を左右する生化学的機構の解明に関する研究
Project/Area Number |
02152133
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Research Category |
Grant-in-Aid for Cancer Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | National Cancer Center Research Institute and Research Center for Innovative Oncology, National Cancer Center Hospital East |
Principal Investigator |
西條 長宏 国立がんセンター, 薬効試験部, 部長 (00215526)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤原 康弘 国立がんセンター, 薬効試験部, 研究員 (10219066)
大江 裕一郎 国立がんセンター, 第一外来部, 医員
佐々木 康綱 国立がんセンター, 第一外来部, 医員
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Project Period (FY) |
1990
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1990)
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Budget Amount *help |
¥3,500,000 (Direct Cost: ¥3,500,000)
Fiscal Year 1990: ¥3,500,000 (Direct Cost: ¥3,500,000)
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Keywords | 薬剤耐性 / 5FU / Cisplatin / Collateral Sensitivity |
Research Abstract |
シスプラチンは、固形癌化学療法のKey drugとして用いられている。従ってシスプラチンに対する耐性機序の解明は癌化学療法による治療効果の改善には必須と思われる。この目的で我々は肺癌培養株よりシスプラチン耐性株を樹立し、その生化学的変化を検討してきた。我々が樹立したCDDP耐性ヒト非小細胞癌株では、各種抗癌剤に対する感受性には変化がみられないのに対し、5FUに対してはシスプラチン耐性PCー7(PCー7/CDDP)は約5倍感受性に変化し、他の2株でも高感受性の傾向が認められた。5FUのRNA系への作用は母細胞に比べPCー7/CDDPで弱く、5FU感受性と相関するのはdTTP減少、DNA鎖切断量などのDNA系への作用であった。又PCー7/CDDPにおける5FUのDNA系に対する阻害作用の増強はThymidylate synthase(TS)阻害に起因するのではなく、チミジンヌクレオシド合成のサルベ-ジ経路が低下し枯渇したdTTPをサルベ-ジ経路により補う事ができない事に原因があった。さらにサルベ-ジ系における変化を検討した結果、PCー7/CDDPではチミジン燐酸化酵素であるThymidylate kinase(TK)活性には変化なく細胞外のチミジンの膜輸送の低下していることが示された。その理由としてPCー7/CDDPでは促進拡散を行う低親和性輸送体のみが存在しエネルギ-依存性の能動輸送を行う高親和性輸送体の存在しない事が示された。この変化とCDDP輸送機構の関連は未知の問題であるが、CDDP耐性細胞におけるチミジンのエネルギ-依存性輸送の欠如はCDDP耐性株でのCDDP細胞膜輸送低下に関連した変化でありうる可能性が示唆された。
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Report
(1 results)
Research Products
(6 results)