Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
土居 晴洋 広島大学, 文学部, 助手 (40197992)
太田 陽子 横浜国立大学, 教育学部, 教授 (80017714)
寒川 旭 地質調査所, 近畿中部地質センター, 主任研究官
松田 時彦 東京大学, 地震研究所, 教授 (70012896)
岡田 篤正 愛知県立大学, 文学部, 教授 (90086174)
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Budget Amount *help |
¥3,500,000 (Direct Cost: ¥3,500,000)
Fiscal Year 1990: ¥3,500,000 (Direct Cost: ¥3,500,000)
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Research Abstract |
1.活断層の詳細な分布を示す精密な活断層図に盛り込む情報とその表現法について検討し,日本の実情に合った規準を設定した.これに基づいて六甲山南麓および大阪平野北縁部の活断層の分布を,第二次大戦直後に撮影された大縮尺航空写真の判読と現地調査によって明かにし,精密な活断層分布図を大縮尺地形図(1/10,000)ケ-ルで作成した.京阪神地域の活断層図と同じ基準によって,首都圏地域の立川断層や横須賀市の活断層および仙台市の長町ー利府線についても詳細活断層分布試作図を作成した. 2.古地震について,考古学的資料や古文書などを検討した結果,1596年の伏見地震が有馬ー高槻構造線の運動によって発生した可能性が指摘され,現地調査によってもこれが確認された.この地域には,6世紀始め頃の地震跡も発見されており,その発生源となった活断層を特定することが今後の課題である.大阪平野の東部でも数多くの地震跡が発見されており,1510年,1596年の地震とその発生源となった活断層が推定された. 3.大阪平野には伏在断の存在が知られており,この活動時期を検討するためにボ-リング資料,物理探査記録を検討したが,詳細な地下構造の解明にはトレンチ掘削調査などが不可欠であることが明かとなった. 4.活断層から発生する最大規模地震による地震分布を検討した結果,1)関西地域はM8の大地震の発生源となりうる長大な活断層が発達し,2)全国の起震断層228のうち108が分布し,3)加えて,活動度の高いA級の活断層の大部分が分布する地震危険度の高い地域であることが明らかになった. 5.活断層沿いの土地利用を箕面市を例に検討した結果,学校,病院などの公共施設が活断層近傍に立地する割合が高いことが知られ,土地利用計画に活断層の危険性が全く考慮されていないことが明かとなった.
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