Budget Amount *help |
¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
Fiscal Year 1990: ¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
|
Research Abstract |
本研究の目的は,気象学・水文学的な観点から一様な性質をもつとみなしうる地域について,その地域内の豪雨・洪水の極値デ-タの確率統計的特性を総合化する手法を確立することである.すなわち,同じ地域内の観測デ-タのない(少ない)地点についても総合化された確率特性が利用できるようにし,豪雨や洪水に起因する自然災害の防止・軽減に役立てようというものである.ここでは,100,200年確率雨量を対象とし,地域総合化手法として地域回帰分析法およびKriging法を適用した. 【1】野洲川流域(387km^2)の10地点の日単位の雨量デ-タ系列から,極値デ-タとして年最大k日雨量を抽出・整理し,ファイル化した. 【2】観測地点ごとに極値デ-タの頻度解析を行い,適合する確率分布モデルとその適合度,再現確率統計量(確率雨量)を求めた. 【3】地域回帰分析は,確率雨量を目的変数とし対象地点の特性量を説明変数とし,最小二乗法を用いた重回帰分析によって,場所的特性と雨量特性を関係付ける.通常最小二乗法と重み付け最小二乗法を用いた.説明変数には,緯度,経度,標高を用い多数の回帰モデルを検討した.100年確率2日雨量の場合,最も良い回帰モデルの重相関係数は0.74であった.また,観測地点のデ-タ期間に応じて重み付けを行うことによりモデルの精度が向上することがわかった.このような地域回帰分析によって当該地域の確率雨量の等値線が客観的に描けることとなった. 【4】Kriging法は,地域内のいくつかの観測地点における実現値を用い,任意地点の状態変数の推定値を最良線形推定値として求める手法である.確率雨量を状態変数とすると,当該地域内の確率雨量の等値線,およびその信頼度を表す等値線が得られる.定常確率場の仮定のもとに最も単純なKriging法を適用したところ,推定精度はあまり良くなかった.バリオグラムや確率場の仮定などの改善を行う必要があることがわかった.
|