Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山下 隆男 京都大学, 防災研究所, 助手 (30111983)
西 勝也 京都大学, 理学部, 助手 (10027237)
中村 重久 京都大学, 防災研究所, 助教授 (60027232)
市川 雅史 日本気象協会, 調査部, 技師
芹沢 重厚 京都大学, 防災研究所, 教務職員
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Budget Amount *help |
¥3,100,000 (Direct Cost: ¥3,100,000)
Fiscal Year 1990: ¥3,100,000 (Direct Cost: ¥3,100,000)
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Research Abstract |
1.高潮の流動構造:ドップラ-流速計(ADCP)を田辺湾湾口の海底に設置して,1週間の連続観測を行い,そこでの流れの鉛直分布変動を求めた。このデ-タおよびこの観測期間中の田辺湾内STD観測,白波海洋観測塔の連続海家観測,湾沿岸の水位観測を解析した。その結果,夏期において海水の密度成層が著しい時期には,風が弱くて潮汐流が卓越しているときでも,流れに強い上下逆転が起っていることが観測された。しかしながら,平成2年には田辺湾を3台風が直撃したが,観測準備が間に合わず,好機を逸してしまったが,ADCP海底設置用架台を製作して,水型底引き漁業区域での長期間の設置に成功したことは,次年度以降の台風時期長期観測の見通しを立てることができた。 2.陸棚海況変動と高潮の関係:衛星画象および定期フェリ-による水温のモニタ-によって,黒潮流域から沿岸にいたる海況変動を追跡し,沿岸域での異常潮位と黒潮流路,水温変化との対応を検討した。さらに,高潮発生時の黒潮および沿岸の海況資料を収集して解析を行い,強制ケルビン型台風高潮のモデルを構築した。さらに、沿岸域での異常潮位が黒潮の流路変化と密接に関係していることを示し,そのパタ-ン分類を行った。また,黒潮に起因する異常潮位が60cmに及ぶことがあることを示した。 3.沿岸高潮数値モデルの改良:田辺湾のように海底地形が複雑で,千満潮時に海面に現われたり没したりするような場での高潮,潮流の数値モデルを完成させた。すなわち,exchange depthの方法により,流況に応じた移動境界条件を設足した。一方,開境界条件の設定には,無反射開境界条件,黒潮等の外洋条件を設定できるように改良し,田辺湾における吹送流,潮流のシミュレ-ションを行った。
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