Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岩井 哲 京都大学, 防災研究所, 助手 (60184850)
國枝 治郎 京都大学, 防災研究所, 助教授 (50025962)
野中 泰二郎 京都大学, 防災研究所, 教授 (60027224)
北原 昭男 京都大学, 防災研究所, 助手 (00195273)
藤原 悌三 京都大学, 防災研究所, 教授 (10026031)
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Budget Amount *help |
¥2,400,000 (Direct Cost: ¥2,400,000)
Fiscal Year 1990: ¥2,400,000 (Direct Cost: ¥2,400,000)
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Research Abstract |
現状の都市の地震災害を予測するためには,都市域に建つ構造物群の耐震力,地盤特性の把握とともに,地域性・社会性を含む総合的な現状把握が必要である。各種構造物の耐震性を明らかにし,構造物群の耐震力を,地域分布・人文社会的側面を考慮して評価し,さらに将来生起する地震外乱群を確率モデルとして評価し,地震応答を確率論的手法によって制御する研究を行った。北原・藤原は,異種材料および異なる設計指針によって建てられた各種構造物の地盤特性を考慮した地震応答性状を求め,京都市域を対象とした地震被害推定を行うとともに,解析の妥当性を宮城県沖地震の被害結果によって検証した。藤原は1988年のネパ-ル・インド国境地震の被害調査から,都市の地震被害には地盤特性による地動の最大振幅とともに,その都市の人口集中度・文化レベルの影響が顕著であることを示した。岩井・野中は,鉄骨構造物が破壊的な地震によって厳しい繰返し載荷を受ける場合の終局的な塑性疲労破壊挙動を把握するため,その部材および要素を対象として実験を行って調べた。國枝は,地震時における容器状構造物の機能上の安全性を確保するため,大張間・容器状構造物の典型として球形シェル構造を対象に,非線形動的応答挙動の解明を目指し,軸対称状態の固有モ-ドの近似解を作成し,動的安定限界の基準となる一様外力下の古典座屈値を求め,一モ-ド時の安定限界設計規範の解明,多モ-ド共存時の地震外乱下での安定限界の数値的探索を行った。鈴木・南井は構造物の地震時の居住性・機能性および安全性を向上させるためには,能動的構造制御が有効であるとの観点から,非線形構造物を制御対象として,最適な制御を行う確率論的構造制御法を導出し,非線形制御と線形制御の適用範囲を数値解析例によって示した。本研究の成果は将来の都市の変遷と地震動推定を考慮した都市震害予測と耐震計画の基礎となる方法論を展開したと考える。
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