降下火砕物噴火及び火砕流噴火における弾道堆積物の到達範囲の推定
Project/Area Number |
02201235
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
鎌田 桂子 神戸大学, 理学部, 助手 (20192544)
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Project Period (FY) |
1990
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1990)
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Budget Amount *help |
¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
Fiscal Year 1990: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
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Keywords | 弾道堆積物 / Inflection point / Inflection distance / 火砕流堆積物 / 降下火砕堆積物 / 拡散型火砕流 |
Research Abstract |
火山噴火の際、火口近傍には火口から直接放出される弾道堆積物が多量に堆積し、これらは質量が大きいことから破壊的な災害をもたらす。弾道堆積物の到達範囲の推定は、火山災害を最小限に抑える上で、非常に重要である。そこで最近の研究に基づいて火砕堆積物中に含まれる外来岩片の最大3個の平均粒径とその距離に対する変化から弾道堆積物の到達範囲の推定を試みた。 C.J.N.Wilson(1985)はニュ-ジランドのタウボ火砕流において外来岩片の最大3個の平均粒径(ML)が噴出源から20km付近を境として2本の直線で近似されることを明らかにし、噴出源近傍の急な勾配の直線が弾道堆積に因るものと考えた。即ち、急な直線で表される範囲の近距離側が弾道堆積物の到達範囲と考えられる。この変曲点をInflection pointとし、カルデラの中心との距離をInflection distaneと定義する。鳥栖火砕流及び入戸火砕流における野外調査及び文献調査の結果、同様の傾向が複数の火砕流堆積物おいて普遍的に認められることが明らかになった。 MLと距離のグラフに折れ曲がり点が存在することは降下火砕堆積物についての文献調査においても認められた。火砕堆積物について文献で判別できるかぎりのMLを調べ、降下軽石、堆積物の平均層厚と到達距離のアスペクト比の大きな通常の火砕流、拡散型火砕流噴出物の三種類に分類して、マグマ体積との関係を調べた。通常の火砕流、プリニアン、拡散型の順に同じ噴出量での弾道堆積物の到達限果が遠くなることを示し、より爆発的であったということを示唆する。即ち、拡散型火砕流が最も爆発的で、プリニアン、通常の火砕流の順に爆発力が衰えることが明らかになった。この結果は従来のプリニアン噴火が最も爆発的であるという考えをくつがえし、火山災害の防災上の注意を促すものである。
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Report
(1 results)
Research Products
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