Budget Amount *help |
¥3,000,000 (Direct Cost: ¥3,000,000)
Fiscal Year 1990: ¥3,000,000 (Direct Cost: ¥3,000,000)
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Research Abstract |
渇水の事象は気象要因だけでなく,人為的な水管理方法などに影響され,定量化が難しく,統計量として対処し難い性質をもっている。 本研究では,渇水の原因となる少雨現象について,少雨の出現構造を明らかにし,過去の降水履歴に基づいた少雨の確率的予測法を検討した。 少雨現象の季節的・地域的な現われ方を見るために,世界約100か所の50年以上の月間雨量資料を収集し,降水量の度数分布を解析した。その結果,渇水の常襲地域は少雨側あるいは多雨側に最頻値をもつbimode型,あるいは雨季・乾季が明確に現われる型に分けられ,降水量の変動が大きい傾向を示した。一方,渇水災害をもたらすような異常な水不足は,ある特定の月に雨が少ないことによって生じるのではなく,数か月あるい1年といった長期の降水量が平年を大きく下回る場合に発生している。このような少雨の出現特性を検討するには,一定期間の降水量のみを対象にしては十分な説明ができない。そこで,任意の月を起点とした過去あるいは未来の任意期間の降水量に注目した「期間降水量」の概念を提案した。この期間降水量に基づき,少雨量と期間との関係,すなわち5DepthーDuration解析を行った。その結果,期間を長くとるに従って少雨の程度は回復し,平年値に近づくとともに少雨の生起率も指数関数的に減少するという関係が得られた。この少雨の時間的な経緯と空間的な分布状況の特性を利用した世界の渇水に関するハザ-ド・マップを作成した。またこのマップは沙漠化地域の予測にも利用できることを未した。
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