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¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
Fiscal Year 1990: ¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
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Research Abstract |
1.目的 著者が自然界から見い出した淡水藻類(クロレラなど)によるヒ素生体濃縮およびヒ素の生体内メチル化能を強化する条件の探索とともに,ヒ素濃縮藻類の自然環境へ及ぼす影響について研究した。 2.結果と考察 (1)ヒ素の排出 クロレラはヒ素を取り込むと同時に排出することが初めて分ったので,放射性ヒ素 ^<74>A_sを用いてヒ素の排出を詳しく調べた。結果を次に示す。(1)取り込まれたヒ素の30〜50%は1時間以内に排出され,(2)明条件より暗条件の方が排出され易く,(3)栄養源のない蒸留水の方が排出され易いことなどが分った。 (2)ヒ素の生体濃縮の最適培養条件 生育曲線とヒ素生体濃縮および培地ヒ素濃度との関係を詳しく調べた結果,細胞内ヒ素濃度は生育曲線の対数生育期で最も大きく,それ以後は排出の方が優先するために,細胞内に濃度は低下する。その結果,培地ヒ素濃度は培養日数とともに低下するけれども対数生育期をわずか過ぎたところで,培地ヒ素濃度に極小値が現れることが明らかになった。 また培地成分を検討した結果,クロレラによるヒ素の生体濃縮については,鉄とマンガン濃度は大きくリン濃度は小さい程,ヒ素濃縮効果が大きくなることが分った。これらの実験結果から,クロレラによるヒ素の除去法について最適条件を設定できることが分った。 (3)食物連鎖への影響 藻類→ミジンコ→グッピ-の食物連鎖において,ヒ素の生体濃度は順次低下し,ヒ素は生体内メチル化により解毒された後排出されるので環境は浄化される。食物連鎖を介してヒ素の浄化は向上した。
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