Budget Amount *help |
¥3,000,000 (Direct Cost: ¥3,000,000)
Fiscal Year 1990: ¥3,000,000 (Direct Cost: ¥3,000,000)
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Research Abstract |
山形県肘折地域には,地熱活動に伴う変質帯が認められる.今回の研究では,それらのうちカルデラ南西部の花崗岩体中に発達する変質体の石英脈の方向と形成年代を求め,それと人工破砕により形成された割れ目の方向を比較した.石英脈は,N50ー70°Eの方向を持ち,ほぼ垂直である.この石英脈について熱ルミネッセンス法により年代を求めたところ,38万年となった.本地域では,新エネルギ-総合開発機構による高温岩体研究が行われており,その中で形成された人工破砕帯の方向はENEーWSWとされている.この方向は,今回の研究により得られた38万年という比較的最近形成された変質帯中の石英脈の方向と一致しており,そのようなデ-タが人工破砕帯の形成方向予測に有効であることを示した. 秋田県秋ノ宮地域には,高温の花崗岩体が広く分布するが,その存在する深度の検出のため,総延長約20kmの測線について20m間隔で磁気測定を行った.それにより,花崗岩類,泥岩層及び変質帯の分布を定性的に求めることができた.さらに,これらの結果を定量的に解析するための基礎として,本地域の各種岩石約200個の帯磁率測定も行い,解析プログラムの検討を進めた.また,ガンマ-線探査では,放射線強度の高いところは多くの場合地質調査から求められた断層の位置と一致していることが確かめられたが,一部のところでは放射線強度が高いにもかかわらず断層が存在しなかったり,位置がずれていることが判明した.このような場合,放射線強度の高いところは総合的にみて断層の存在が推定されており,既存の地質図に記入されていないのは露頭がないために見逃されていたり,位置が誤った位置に記載されていたものと考えられる.したがって,放射線探査から求められる断層はより正確な位置を示しているものであり,開発地域の選定に有用であると予想された.
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