セルフアセンブリングによる機能性表面の創製と分子配列の評価
Project/Area Number |
02205003
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
魚崎 浩平 北海道大学, 理学部, 教授 (20133697)
|
Project Period (FY) |
1990
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 1990)
|
Budget Amount *help |
¥2,500,000 (Direct Cost: ¥2,500,000)
Fiscal Year 1990: ¥2,500,000 (Direct Cost: ¥2,500,000)
|
Keywords | 機能性表面 / 酸化還元 / ゲ-ト素子 / フェロセン / 電子移動 / セルフアセンブリング |
Research Abstract |
本研究は、固体表面上に自発的に形成される化学結合を用いて機能分子を配列・固定させるセルフアセンブリング法によってLB膜の欠点を克服した安定な機能性表面の創製を目的として行った。本年度は金表面を種々の炭素鎖を持つフェルセニルアルカンチオ-ルを固定することにより,金表面への酸化還元機能の導入を試みた。ガラス上に金を真空蒸着したものを基板として用いた。このようにして作製した金の表面は、STM測定によれば非常に平滑であり,またX線回折より主として(III)面からなることがわかった。修飾分子であるフェロセニルアルカンチオ-ル類は合成して用いた。金表面の修飾はフェロセニルアルカンチオ-ルのヘキサン溶液に金基板を種々の時間浸して行い、その後ヘキサンおよび水で十分洗浄した。これを電極とし、支持電解質のみを含む溶液およびFe(CN)_6^<3ー/4ー>やFe^<3+>などの酸化還元種を含む溶液中で電気化学測定を行ない電子移動過程を評価した。修飾金電極の1M HClO_4溶液中で測定したサイクリックボルタモグラム(CV)において、対称的な酸化還元波が+220mV付近に見られた。この値は水に溶解した1.1′ーヒドロキシメチルフェロセンの酸化還元電位(+280mV付近)とほぼ一致している。また、走査速度とピ-ク電流値の間には直線関係が存在した。以上のことから電極表面に固定されたフェロセンが電気化学的応答をしていることがわかった。次にこの電極について、Fe(ClO_4)_3を含むHClO_4中でCVを測定するとフェロセニウムイオンがフェロセンに還元されるピ-クがFe^<3+>の添加により大きくなった。この傾向は走査速度が遅い程顕著であった。また,還元電流ピ-クの大きさは溶液中のFe^<3+>の濃度に比例している。これらの結果金電極表面に固定されたフェロセニル基が還元時にメディエ-タ-として働き,金電極から溶液中のFe^<3+>への電子移動が起こるようになったことを示している。
|
Report
(1 results)
Research Products
(6 results)