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¥2,500,000 (Direct Cost: ¥2,500,000)
Fiscal Year 1990: ¥2,500,000 (Direct Cost: ¥2,500,000)
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Research Abstract |
トリオキサン(TOX)のカチオン開環重合を行ったところ,明確な二山の分子量分布をもつポリオキシメチレン(POM)が生成することを確認した。さらに,低分子量側のポリマ-(Mn〜2×10^3;Mw/Mn=1.1〜1.2;n=60〜80)は,ポリマ-の結晶融点より高温で重合させた場合や,γー線固相重合によった場合には存在しないことも確認した。このポリマ-はアルカリ中で煮沸しても安定であるので,高分子量側POMとは容易に分離でき,また,‘H NMR(400メガ)解析によっても未端基が検出されないことから環状物であることを結論した。 この単分散大環状POMの分子量が,予想される結晶ラメラ厚みの2倍の鎖長をもつPOMの分子量と比較的近いことから,これまでの知見と併せて,この大環状POMの生成機構として,反応系中に析出したポリマ-結晶のラメラ表面での“Backーbiting"(分子内トランスアセタ-ル化反応)を想定した。 大環状POMは,DSC測定により,未端を安定化した高分子量POMより熱安定性にすぐれていることも確認した。また,結晶状態でγー線を照射するとさらに重合が進行して,平均分子量は増大する。
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