構造化された生体膜・オルガネラモデル系における機能発現
Project/Area Number |
02205052
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Kyoto Institute of Technology |
Principal Investigator |
功刀 滋 京都工芸繊維大学, 繊維学部, 教授 (70111929)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊藤 伸哉 福井大学, 工学部, 講師 (90213066)
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Project Period (FY) |
1990
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1990)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1990: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
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Keywords | 生体膜 / オルガネラ / 高次構造 / 配向化 / バクテリオロプシン / 膜タンパク質 |
Research Abstract |
タンパク質の機能をin vitroで十分に発揮させるためには、それらが生体内で置かれていた環境を再現する必要がり、それは、分布・配向性や、規則的集合状態といった高いレベルの構造までを含んでいなければならない。生体膜タンパク質はその典型的な例であろう。膜タンパク質は認識、輸送、情報伝達、エネルギ-変換など生命活動の維持において多岐にわたる機能を果しているが、その性質は本質的にベクトル的であり、膜表面での荷電の分布および膜内でのタンパク質の分布、配向など「表裏の別」が機能発現に不可欠であると考えられているので、その機能料としての利用にはこの点を再現する必要がある。本研究では、光のエネルギ-をプロトン勾配に変換するタンパク質として知られているバクテリオロドプシン(BRp)を対象に、懸濁液より、キャスト法によって製膜した乾燥膜が、電場を印加しなくても一定方向の光誘起電位を示すこと、その方向は製膜中に電場を与えてもほとんど影響されないことを見出だし、さらにこの乾燥膜の「配向」は、懸濁液中に加える合成脂質や水溶性高分子により変化することを発見した。製膜はBRpの懸濁液をNESAガラスの上にシリコンゴム枠で保持しデシケ-タ-中で減圧乾燥することによっておこない、配向性の評価はNESAと紫膜に接触させた水銀との間に発生する光応答電位を測定することによって行なった。紫膜のみから調製した単純な乾燥膜でも光応答電位は最大で+260mV程度観測され、これらにカチオン性の合成脂質を加えるとその極性は反転する。これに対してアニオン性の脂質を加えても強度は変化するが極性はそのままであった。一方、懸濁液にポリビニルアルコ-ルを加えると、全ての場合に極性は反転した。このように化学的物質を加えることによって配向性を変化せうることは、今後の機能性材料としての膜タンパク質の利用に重要な発見であると思われる。
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Report
(1 results)
Research Products
(3 results)